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ミットに向かって-8-

[664]  沢村エイジ  2010-04-27投稿
バッターが地面をならして足場を作り、バットの先を光に向けてから構える。

"ストレート"サインを見て頷く。

ボールはワンバウンドしてしまったが、武司が身体で止めた。武司が少し強い球で返球する。

"内角にカーブ。ビビらしてやろう"サインを見て光は少し不安になった。
今までもカーブを何度か使っていたが、落差にムラがあり、度々外野まで運ばれていたからだった。

光は少し大きなフォームで球を投げる。球は曲がる事なくバッターに向かって一直線だ。

"球が曲がらない!?バッターに当たる!"

バッターの肩へ向かって行ったボールは、武司の予想を裏切り軌道を変えた。それを間一髪でミットがつかみ取る。
「ストライクッ!」

"危なかった。それにしても今のは・・・スライダーか?"
光は武司からボールを貰うと、マウンドで握りを確認していた。今、自分で投げた球に驚いているのかもしれない。

"外角にストレート"

腕を上げ、いつものフォームでボールを送りだす。ストライクゾーンのやや甘いところに入ってしまうが、力強く良いボールだった。
カキーン!!
鋭い打球音と共にライト方向へ強い打球が飛ぶがギリギリで外に逸れて、ファールになった。

光がマウンドで安堵の息を漏らす。主審からボールを受け取り、マウンドに立つと武司が次の球を要求する。

"カーブを外角へ"
光は頷き、カウントを確認する。2ストライク1ボールで、2アウトランナー三塁。

"この一球で甲子園出場が決まる"
そう思うと胸の高鳴りを押さえきれない。試合が終わり、皆の喜ぶ顔が頭に浮かんだ。

腕を上げて投球動作に入る。光が放ったボールはストレートに近い球速でストライクゾーンのど真ん中に進んだ。

"よし。そこから落ちろ!!"そう思った瞬間、目の前で鋭い打球音が響く。

カキ―ン!!

外野手は一斉に走りだした。
光と武司はぴくりとも動かず、ボールの行方をひたすら目で追っていた。

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