ユニゾンハーツ19-6
琴葉
「裏…切り……者」
達也
「うん、僕はそう考えてる」
ヒビキ
『でも……何のためにそんなことを?』
そう……こればかりは、さすがにわからない。
何故、あの二人はこんなことをしたのか、それは僕にも判らなかった。
でも、その理由を知ってる人物に心当たりがあった。
達也
「それは、裕也が知ってると思うよ」
ヒビキ
『裕也が……?』
とそんなときだった。
柚姫の悲鳴がペンションに響いたのは……。
琴葉
「今の声……柚姫さん?」
達也
「行こう、二人とも!」
そう言うと僕たちは、悲鳴の聞こえた部屋へと急いだ。
部屋の前にはすでにみんな来ており、部屋の中にはタオルを身体に巻いて震えている柚姫がいた。
しかし巻いているタオルにはところどころが赤く染まっており、髪や脚にも赤い水滴で濡れていた。
達也
「なにがあったんですか!?」
柚姫
「シャワー……から血………が」
ヒビキ
『シャワーから血?』
それを聞き、僕は浴室を覗いた。
シャワーは今も出しぱっなしなっており、そこから赤い水が延々と流れ出ていた。
達也
「……………」
ヒビキ
『これって……血?
赤サビとかじゃなくて……』
裕也
「本物だ。間違いない」
裕也は静かにそう言った。
しかし一体なぜシャワーから血が流れ出てきたのだろう?
達也
「ねぇ、裕也。
この水ってどこから来てるの?」
裕也
「どこからって、そりゃあ……給水タンク……から……。
っ!まさか!!」
裕也は部屋に戻るとみんなを見渡した。
裕也
「……緋山はどうした?」
裕也がみんなを見渡したとき緋山の姿はなかった。
つまりそれが意味するのは………。
裕也
「っ!!」
裕也は急いで部屋から出ると給水タンクのある裏手へと走った。
裏手に続く、ドアを開けると目の前にある給水タンクに裕也は上った。
給水タンクの蓋を開くとそこには何かが浮かんでいた。
暗がりで見えなかったがおそらく、これは…………。
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