天使のすむ湖30
時は十二月、寒さも厳しく、暖炉にも火がともされるようになった頃、香里に少しずつ変化が訪れていた。
それは、雪が降りそうな薄暗い日のことだった。
香里の部屋に入ると、ただいつも窓辺にぼんやりと座っているだけだったのが、今日は真剣にエンピツとスケッチブックを持って何かをデッサンしていた。絵を覗き込むと、ワインとチーズを書いていた。
「香里、描ける様になったのか?」
相変わらず返事は無く、ただひたすらエンピツを走らせていた。
それでもなんだか嬉しくて、キヨさんにも知らせたり、岬にも知らせてきてもらった。
そう言えば催眠療法の先生が言っていた、何かをする意欲が出てくれば回復の兆しが見えると・・・
もしかしたら、よくなるかもしれないと俺は思った。
だけど、実は俺の食事介助ではなかなか食べてくれず、キヨさんか岬がやると食べるのはなぜなのかわからなかった。
それは、雪が降りそうな薄暗い日のことだった。
香里の部屋に入ると、ただいつも窓辺にぼんやりと座っているだけだったのが、今日は真剣にエンピツとスケッチブックを持って何かをデッサンしていた。絵を覗き込むと、ワインとチーズを書いていた。
「香里、描ける様になったのか?」
相変わらず返事は無く、ただひたすらエンピツを走らせていた。
それでもなんだか嬉しくて、キヨさんにも知らせたり、岬にも知らせてきてもらった。
そう言えば催眠療法の先生が言っていた、何かをする意欲が出てくれば回復の兆しが見えると・・・
もしかしたら、よくなるかもしれないと俺は思った。
だけど、実は俺の食事介助ではなかなか食べてくれず、キヨさんか岬がやると食べるのはなぜなのかわからなかった。
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