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さよならを告げた後で

[496]  萩原実衣  2010-04-29投稿
さよなら。
まともに伝えた事が今まであっただろうか…。
いや…ない。

大抵、別れ際は…

「またね。」

次に逢えるかもしれない少しの期待と、自分から『さよなら』を告げたくないズルさが…
「またね」

痛みを知ってしまうとその痛みを味わいたくないものだ。

好きな人といる時間は、なんでこんなにも早く感じるのだろうか…。
たぶん…

別れる時間が来るのが怖くて、心を詰め込んでいるからではないかな…?

独りになっても、あなたとの夢を見てしまう。
そう…
夢をみた瞬間から私達の時間は、動き出していた。
『人』が『夢』を見た時、『儚い』ものになっていく…。
それならば、ちゃんと向き合おうって決めた。

どんな痛みも…。
どんな苦しみも…。
ちゃんと刻もうと決めた。
あなたとの時間が儚き夢にならないように。
あなたは、どうだろうか??

何を考えているの?

横顔を見ると何時も思っていた。
知らなかったでしょ?
あなたの答えは…?


「別に…」

別にって…。


他の女の事…。
仕事の事…。
本当に何にも考えてないのか…。

こんな不安を抱き始めてから、やっぱり、あなたは、少しずつ心も距離も離れちゃったね。

だから…

昨日私は、「さよなら」を告げた。

さよならを告げた後で…

涙しか流れない。
言いたくなかった。
周りは、
「カッコイイじゃん。」
なんて言うけど…。


カッコ悪い。
心の中は、後悔や自分責め、わがままの渦だ。

自分を受け止める重さを知った。

一日しか経っていないのに、もう…あなたに電話したくてしょうがない。

明日も明後日も、そうなんだろうな…。
「他にいい男なんてたくさんいるからさっ!」

友達の言葉が信じられない。

酒で感情を狂わす日々。

さよならを告げた後で…
1ヶ月後…
彼からの電話。
わたしも、電話番号を消せなかった。

「元気にしてる?」

それだけ??

期待は外れ、私は、前を向かざる得なかった。

さよならを告げた後で…酒を浴びる私、泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。

私には新しい…
時間が始まった。

そして…

また新たに来るかも知れない『さよなら』

逃げない。

前を向けば怖くない。
私は…
『ありがとう。』

この言葉を大切にして行こう。

あなたに逢えて良かった。

「ありがとう」

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