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クリスタルクラッシュ4―?

[408]  いっと  2010-05-12投稿
剣を帯びて村に入るのは構わないだろうが、特に用事が無いのに村を歩くと警戒される一因になってしまう事がある。
排他的な村で一度でも警戒されてしまうと、情報収集に支障をきたしてしまうものなのだ。
「まあ、これがあるから大丈夫でしょう」
メディナは背中側のベルトに取り付けられた短剣をローブ越しに撫でながら、村の中に入った。
しばらく歩いていくと、彼女は一軒の農家に目を留めた。
―小屋が二つ…?
彼女の目の先には平屋の家とその左右に一つずつ小屋が建っていた。
―普通、倉庫としての小屋は一つだけのはずだが…。
怪しい。そう睨んだ彼女はその家に近付いていった。
家からは夕飯のいい匂いが漂ってきている。
―匂いが強いし種類が複数ある。三人以上は確実ね。
メディナはそう分析しながら、家の門を叩いた。
「はぁい」
家の中から女性の声がした。
―声質からいくと、ここの奥さんか…。
快活そうな女性が扉を半分ほど開けて、警戒したような表情でメディナを見た。
「すいません、人を捜しているんですが…」
「人…ですか?」
女性は来客が女性だった事で少し安心したのか、警戒した表情を崩して首を傾げた。
「ええ。女の子なんです」
「!」
それを聞いた瞬間、女性の顔が硬直した。
―第一関門突破!
メディナは内心喜びの声を上げると、
「妹なんですが…。一年前に家を出て行ったきり帰ってこなくて…」
と、俯きながらポツリと呟いた。
「そ、そうなんですか…大変ですね」
女性は安堵したような顔になって、小さく頷いた。
「名前はルルというのですが、心当たりはありませんでしょうか?」
「ルル…ですか。いえ、申し訳ないですが、心当たりはありませんね」
「そうですか…わかりました。他を当たってみます」

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