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僕と同じ髪の色

[269]  快雅  2006-08-26投稿
「ちょっと、急いでよ!あなたのせいで遅刻しちゃうでしょっ!!」
「変な言いがかりつけないでほしいんだけど。っていうか、もう遅いよ。」
 時計はもう八時十分を指していた。
「やーー最悪!どうしろっていうのよっ、あーもーっ」
 麗久が頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「・・・・さぼればいいじゃないか。僕もあんまり、五月蝿いのがいるところ好きじゃないんだよね。」
 フワッと欠伸をしながら純弥が言った。大変呑気な純弥を見て麗久はため息をついた。
「ねぇ・・・あなたって本当に、喧嘩・・・強いの?」
 たしかにつり目で柄は悪いが、金持ちだと威張った風もなく、ただの呑気な目つきの悪い同い年の少年にしか見えなかった。
「んー・・・?」
 純弥は空を見て考えた。
「そうでもないよ、きっと。」
「え?」
 麗久は驚きの声を上げる。しかし、その驚きの矛先は空から目を離して麗久を見る純弥の表情に向けられたものだった。
 どことなく悲しげなその表情、つり上がった瞳までもがその色をおびていた。
「僕は、父さんの・・・身を守るための、兵器みたいな物だから。」
「何、言って・・・・?」
 純弥の父はまだイタリアにいるらしい。
(言葉のあや?だって、実の息子を・・・兵器って・・・・・?)
 麗久は言葉のあやだと思うことにした。こんな怪物的な人物に干渉しすぎては何に巻き込まれるか分かったものじゃない。
 二人は結局私服に着替えて、学校を無断欠席、さぼることにした。

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