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世紀末戦記 5

[309]  カザン  2010-05-25投稿
村に向かう間、叔父さんは2人に
「村の様子はどうだ?」
とか
「今年は豊作だったのか?」とか質問をした。
2人は
「変わらない。」
と答えた。
家に着くと母が朝食の支度をして待っていた。
「お久しぶりです。」
母が玄関の扉を開けて言った。
「はい、一年ぶりです。」
この2人のやりとりも一年前と同じだった。

朝食は毎年、叔父さん、母、キーオー、セイル、セイルの両親の6人で食べていたが、先週の大雨で川の上流の橋が流され、セイルの両親はその修復作業のためいなかった。
「朝ごはんを食べ終わったらあんたたちも手伝って来て。」
朝食を食べながら母が言った。
2人は
「はい。」
と答えた。
「それなら私も行きましょう。」
叔父さんが言った。
「ありがとうございます。」その後しばらくは叔父さんと母がしゃべった。叔父さんが質問をし母が答える、毎年恒例の光景だ。

朝食が終わりキーオーが橋の修復のための支度をしていると、叔父さんと母が台所の奥で、まだ話をしていた。
(いつもならこんなに長く話さないのに…)
とキーオーは不思議に思った。

キーオーとセイルと叔父さんは川を上り、壊れた橋へと向かった。橋ではすでに村の多くの者が修復工事を行っていた。
「ジグスさん、助かります。」
「いや、こんなの慣れっこだよ。」
川の底だった場所にたくさんの漂着物が散乱している。キーオーはみんなを手伝っていた。作業をしていると黒くぶよぶよしたものがキーオーの手に触れた。
「何だ、これ?」
キーオーはとっさに地面を掘り返した。
だがすぐに
「見るな!!」
と叔父さんが言った。
キーオーが掘り返したもの、それは人だった。
「うっ!!」
キーオーは目を背けた。もはや原型を止めていないが、よく見ると確かに人だ。「なんてこった。ジークのやつだな。足を滑らせて川に落ちたんだ。」
セイルの父親が言った。叔父さんも駆け寄って来た。だが死体の腕輪を見るなり、驚愕と恐怖に震えた顔になったのをキーオーは見てしまった。
そして静かに
「いや…違う。」
と呟いた。

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