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七日七晩の慟哭12

[337]  伯修佳  2006-08-26投稿
だが菜那の予想は外れだった。高田は笑みを浮かべている。
「明後日は電話に出れないって、ルドヴィカには伝えておくよ」
不透明な苦笑。ほんの少し愉しそうにさえ見えて、自分で振ったくせに無性に菜那は腹が立って来た。
「余裕だねえ」
「菜那こそ。ちょっとは嫉妬してくれても構わないよ?どうせ誰もおまえには敵わないんだから」
高田は彼女を引き寄せようとして手を伸ばした。その手を軽く払って鼻先で小馬鹿にした様に笑う。
「そうやって決まりが悪くなると何でもフェロモンで解決しようとするの、止めた方がいいよ」
「バレたか」
高田は悪びれない。微妙な関係の、当たり前の会話。「菜那は変わらないよなあ」
感心とも似た口調で、しみじみと彼は呟く。
「あ、そうだ」
作業を三度再開しながら菜那は言った。
「エレナさんと咲良さんと恭子さんと春蓮さんとフランチェスカさんにも言っておいてね?」
高田は今度こそ本気で脱力した。

灰色の無機質な壁を、複数の照明が照らしている。窓一つない、昼夜を問わずどこか陰欝なその部屋に、『彼女』は寝起きさせられていた。毎日やって来る男が差し出す本を表情の無い眼で見つめながら、片言で話す。

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