虫たち、梅雨(1)
湿気の多いある6月の夜。
バイトの帰り道、疲れた身体を慰めるようにゆっくりと自転車を押しながら帰っていた。
家までの空腹が我慢できず、コンビニの前で自転車を止めた。
まだ胃に入っていない空想の唐揚げが胃を満たしていたが、バチッという音が強引に耳に入ってきた。
それは虫を駆除するための蛍光灯に虫が当たって、焼ける音だった。(正式名称は分かりません)
彼らは何も考えずに、ただ遺伝子にプログラミングされた情報に従って行動してる。
何の利益もなさそうな、先祖代々のプログラミングされた情報にだ。
ほんと、何も考えちゃいやしない。
前を飛ぶ虫が次々と焼け死んでいるというのに、危険を察知することもなく同じように光に向かう。
馬鹿げてる。
その一言で、以前の僕なら片付けていたことかもしれない。
現に、今まで何度も見てきた光景である。(田舎の婆ちゃんちでは特に)
でも今の僕の口からはその一言が、出てこない。
その一言を言う権利すら今の僕には、なかった。
光に向かって飛ぶことすら僕は、放棄しているのだから。
虫たちのせせら笑いが聞こえてくる。
「いくじ無しめ。お前は死ぬことが怖いのか?」
「何も行動できずに自分に嘘をついて生きている。それって死んでいるようなもんじゃないの?」
「何のために羽が生えてんだよ。あ、人間には羽がねえのか。」
バチッ…。
バチッ…。
バチバチッ。
やめてくれ…。
もうそんな無駄なこと…。
やめてくれよ!!
その音に耐え切れず。
僕は全てを遮るように、耳を塞いでしまった。(逃避)
バイトの帰り道、疲れた身体を慰めるようにゆっくりと自転車を押しながら帰っていた。
家までの空腹が我慢できず、コンビニの前で自転車を止めた。
まだ胃に入っていない空想の唐揚げが胃を満たしていたが、バチッという音が強引に耳に入ってきた。
それは虫を駆除するための蛍光灯に虫が当たって、焼ける音だった。(正式名称は分かりません)
彼らは何も考えずに、ただ遺伝子にプログラミングされた情報に従って行動してる。
何の利益もなさそうな、先祖代々のプログラミングされた情報にだ。
ほんと、何も考えちゃいやしない。
前を飛ぶ虫が次々と焼け死んでいるというのに、危険を察知することもなく同じように光に向かう。
馬鹿げてる。
その一言で、以前の僕なら片付けていたことかもしれない。
現に、今まで何度も見てきた光景である。(田舎の婆ちゃんちでは特に)
でも今の僕の口からはその一言が、出てこない。
その一言を言う権利すら今の僕には、なかった。
光に向かって飛ぶことすら僕は、放棄しているのだから。
虫たちのせせら笑いが聞こえてくる。
「いくじ無しめ。お前は死ぬことが怖いのか?」
「何も行動できずに自分に嘘をついて生きている。それって死んでいるようなもんじゃないの?」
「何のために羽が生えてんだよ。あ、人間には羽がねえのか。」
バチッ…。
バチッ…。
バチバチッ。
やめてくれ…。
もうそんな無駄なこと…。
やめてくれよ!!
その音に耐え切れず。
僕は全てを遮るように、耳を塞いでしまった。(逃避)
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