Youth War2
私は強烈な加速Gに襲われた。
更には、何度かのバレルロール…当然ながら私は気を失っていた。
気がつくともうレス島の滑走路が間近に迫っている。
時間にしてほんの10分足らずであった。周囲を見渡すとやけに機体の数が少ない…かなり撃墜されたらしい。
後になって分かったことだが、管制官の間違えた0によって練習生を逃した先が敵の正面であったこと。
また、敵が躊躇なく撃ってきたこと。
どれも予想外の事態であった。
私は思った。この古強者に鍛えられれば、あの練習生達も手強いエースになったであろう。
しかし、それは潰えてしまった。
私が基地に着くと、基地の守備兵に私のカメラとフィルムは没収されてしまった。
宣戦布告なくして行われた戦闘の証拠が拭われていく…これが現実である。
バート大尉に敵について話を聞いてみた。
「敵だぁ!?…この辺にあるって言えばユースのトリント基地しかねぇだろ。」
「でも、空中給油って方法もあるのでは?」
「あの機体、腹下に給油口があったろ…ありゃ空中給油出来ないって訳だ。」
私は驚いた。あの状況下でそんな所まで見ている余裕があったのかと…
基地に残っているパイロットは先ずバート大尉、後は非番で訓練に参加しなかった新兵が4〜5名、戦闘経験のない若手ばかりだ。
どうやら、この若手もパイロット不足からスクランブル配置になるらしい。
それから3日、回収された不明機の残骸が格納庫に搬入された。
この基地の整備士、通称「マスター」と呼ばれる中年の男が機体を見て呟く。
「彼らはまだこんな物作りをしているのか…」
「彼らとは…?」
続く
更には、何度かのバレルロール…当然ながら私は気を失っていた。
気がつくともうレス島の滑走路が間近に迫っている。
時間にしてほんの10分足らずであった。周囲を見渡すとやけに機体の数が少ない…かなり撃墜されたらしい。
後になって分かったことだが、管制官の間違えた0によって練習生を逃した先が敵の正面であったこと。
また、敵が躊躇なく撃ってきたこと。
どれも予想外の事態であった。
私は思った。この古強者に鍛えられれば、あの練習生達も手強いエースになったであろう。
しかし、それは潰えてしまった。
私が基地に着くと、基地の守備兵に私のカメラとフィルムは没収されてしまった。
宣戦布告なくして行われた戦闘の証拠が拭われていく…これが現実である。
バート大尉に敵について話を聞いてみた。
「敵だぁ!?…この辺にあるって言えばユースのトリント基地しかねぇだろ。」
「でも、空中給油って方法もあるのでは?」
「あの機体、腹下に給油口があったろ…ありゃ空中給油出来ないって訳だ。」
私は驚いた。あの状況下でそんな所まで見ている余裕があったのかと…
基地に残っているパイロットは先ずバート大尉、後は非番で訓練に参加しなかった新兵が4〜5名、戦闘経験のない若手ばかりだ。
どうやら、この若手もパイロット不足からスクランブル配置になるらしい。
それから3日、回収された不明機の残骸が格納庫に搬入された。
この基地の整備士、通称「マスター」と呼ばれる中年の男が機体を見て呟く。
「彼らはまだこんな物作りをしているのか…」
「彼らとは…?」
続く
感想
感想はありません。