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天使のすむ湖33

[304]  雪美  2006-08-27投稿
季節は流れて〜三月を迎えると、香里は少しずつ外へと出るようになり、ちょっとの隙に出てしまい、探すということが多くなっていた。

湖のほとりの主に右側には、紅白の立派な梅の木が満開になっていてた。
その下で香里はデッサンしていた。光を感じさせるような梅の木を描き、そのそばには小さな羽をつけた妖精が描かれていた。
「妖精が見えるのかな・・・」
俺がそうつぶやくように言うと
「うん、見えるよー」
香里が答えた、俺はびっくりしてしまった。
半年振りに、香里が話してくれた、
「香里、話せるようになったの?」
「うん、話せるよー」
俺をきちんと見ていた。
「一樹、大好きよー」
そういって微笑んだ、表情も豊かになっていた。梅の匂いがむせるような昼下がりのことだった。
「俺も、大好きだよーよかった、香里の声が聞きたくて、ずっと待ってたんだ。」
俺はいつか見た夢を思い出し、あれは正夢だったのだ。
ぎゅっと抱きしめて、久しぶりに心が通うあついキスをした。
梅の妖精が祝福に、緩やかな風をおこし、二人の上には梅の紅白の花びらが舞い落ちていた。
 
俺は安心して、香里の膝枕で夕暮れまで寝ていた。キヨさんが呼びに来るまで、気づかずにいた。夕日に梅の花が照らされて、オレンジ色に輝いていた。

しかし、家に戻ると一緒に来たはずの岬がいなくて、置手紙があった。
 
一樹と香里さんへ
香里さんの状態もよくなったみたいだから、また悪いときには呼んで下さい。先に帰ります。
それから、二人の時を大事にしてください。
岬より

俺は思った。あの梅の木下の光景を岬は目撃してショックを受けているのだと、でも今は行くことは出来ない、香里のそばを離れてはいけない気がしていた。

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