シークレット†ハート 7 (好き…だけど)
雪月花に初めて逢ったのは、俺が小学1年の夏だった。
たまに会いに来るおばさんと、再婚したいと父さんが言い出して俺は、「そっかぁ」位の感覚だった。
そりゃあ、小1だしね。
そんなもんだろ?
で、そのおばさんと父さんが言うには、おばさんには俺と同じ歳の女の子がいるって言う。
「俺と同じ!?んじゃ、どっちが兄ちゃん?姉ちゃん?」
確かそんな言い方をしたと思う。
おばさんは笑って答えた。
「疾風君は確か6月生まれよね?うちのセツカちゃんは1月生まれなのよ。だからキョウダイになったら、疾風君のほうがお兄ちゃんね。これからはよろしくね?」
子供心に母親と妹がいっぺんに出来て、俺はかなり浮かれていたような気がする。
「俺、ぜーーったい守るよ!良い兄ちゃんになる!!」
っぽいコトを豪語した…ような気がする。
…で、初めて雪月花に逢った。
不思議なもので、よく覚えてる。
最初っから、そわそわビクビク。
母親の服の袖をしっかり握りしめていて。
父さんに話し掛けられて、頭を撫でられて、ようやくほっとした様に笑みが浮かんだ。
俺はタイミングなんて計れる様な子供じゃなかった。
急にそんな父さんの脇から顔を出して、かなり当時の雪月花は驚いた様で、急いで母親の影に隠れた。
「とーさん、この子?俺の妹になる子って!?」
「だ…だれ…?」
小さな鈴を転がす様な声だった。
ビクビクしながらも真っ直ぐこっちを見ていた。
「ふ〜ん、この子かぁ」
俺はまじまじと彼女をのぞき込みながら、自己紹介をした。
母親の影に隠れてビクビクしているその姿が、なんだかとても可愛いらしくて。
(ハムスターみて〜…)
なんて思った。
彼女がどうしたら笑ってくれるのか。
―俺も笑ったらこいつも笑ってくれるかな?
たったそれだけで、俺は笑ってみた気がする。
「‥雪月花です。えっと、いつもママがお世話になってま…す?」
顔を真っ赤にしながら、一生懸命可愛いらしい声を紡いでいた。
最後が疑問形で終わっていたのも、今になると思わず抱きしめてしまいそうな気分になる。
当時の俺。
よくまぁ我慢出来たなと今更ながら思う。 あの頃のままの気持ちでいられたら、こんなに苦しい思いをするコトはなかったはずだったのに…。
たまに会いに来るおばさんと、再婚したいと父さんが言い出して俺は、「そっかぁ」位の感覚だった。
そりゃあ、小1だしね。
そんなもんだろ?
で、そのおばさんと父さんが言うには、おばさんには俺と同じ歳の女の子がいるって言う。
「俺と同じ!?んじゃ、どっちが兄ちゃん?姉ちゃん?」
確かそんな言い方をしたと思う。
おばさんは笑って答えた。
「疾風君は確か6月生まれよね?うちのセツカちゃんは1月生まれなのよ。だからキョウダイになったら、疾風君のほうがお兄ちゃんね。これからはよろしくね?」
子供心に母親と妹がいっぺんに出来て、俺はかなり浮かれていたような気がする。
「俺、ぜーーったい守るよ!良い兄ちゃんになる!!」
っぽいコトを豪語した…ような気がする。
…で、初めて雪月花に逢った。
不思議なもので、よく覚えてる。
最初っから、そわそわビクビク。
母親の服の袖をしっかり握りしめていて。
父さんに話し掛けられて、頭を撫でられて、ようやくほっとした様に笑みが浮かんだ。
俺はタイミングなんて計れる様な子供じゃなかった。
急にそんな父さんの脇から顔を出して、かなり当時の雪月花は驚いた様で、急いで母親の影に隠れた。
「とーさん、この子?俺の妹になる子って!?」
「だ…だれ…?」
小さな鈴を転がす様な声だった。
ビクビクしながらも真っ直ぐこっちを見ていた。
「ふ〜ん、この子かぁ」
俺はまじまじと彼女をのぞき込みながら、自己紹介をした。
母親の影に隠れてビクビクしているその姿が、なんだかとても可愛いらしくて。
(ハムスターみて〜…)
なんて思った。
彼女がどうしたら笑ってくれるのか。
―俺も笑ったらこいつも笑ってくれるかな?
たったそれだけで、俺は笑ってみた気がする。
「‥雪月花です。えっと、いつもママがお世話になってま…す?」
顔を真っ赤にしながら、一生懸命可愛いらしい声を紡いでいた。
最後が疑問形で終わっていたのも、今になると思わず抱きしめてしまいそうな気分になる。
当時の俺。
よくまぁ我慢出来たなと今更ながら思う。 あの頃のままの気持ちでいられたら、こんなに苦しい思いをするコトはなかったはずだったのに…。
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