カーニバル!♭3
「杞李殿。殊深様がお呼びです」
晴れた日の事だった。まだ一人前の暗殺者として認められていない杞李に仕事が与えられる事は滅多になく、その日は自室で本を読んでいた。
「どうしても行かなければいけませんか」杞李は本から目を離さずに、障子の向こう側で頭を下げている使いに尋ねた。使いは短く肯定の返事を返す。
「-―下がりなさい」
別の声がした。杞李はゆっくりと首を声の方へ向ける。彼女は感情のない目で、断りも無く部屋に踏み入ってきた男を見上げた。
「そんな目をしないで下さい。用事を頼みにきただけですから」そうやって当主の息子である殊深は微笑んだ。しかし杞李は以前よそよそしい。「私には、あなたのような方がこんな所にまで来て頼む用事の内容の検討がつきません」そう言われた殊深はまたも微笑する。「仕事の依頼にきただけです」途端、杞李の瞳に鋭い光がさした。「是非ともあなたに頼みたい」殊深の笑顔は、わざとらしほど晴れ晴れしかつた。
その晩、杞李は闇に紛れて目標を待っていた。髪の毛や瞳と同じような黒色の服を身に着けている彼女は、背中に日本刀を抱えている。そして、ひたすら目を凝らす。屋敷の離れである、この目の前の家に人がやって来るの?
晴れた日の事だった。まだ一人前の暗殺者として認められていない杞李に仕事が与えられる事は滅多になく、その日は自室で本を読んでいた。
「どうしても行かなければいけませんか」杞李は本から目を離さずに、障子の向こう側で頭を下げている使いに尋ねた。使いは短く肯定の返事を返す。
「-―下がりなさい」
別の声がした。杞李はゆっくりと首を声の方へ向ける。彼女は感情のない目で、断りも無く部屋に踏み入ってきた男を見上げた。
「そんな目をしないで下さい。用事を頼みにきただけですから」そうやって当主の息子である殊深は微笑んだ。しかし杞李は以前よそよそしい。「私には、あなたのような方がこんな所にまで来て頼む用事の内容の検討がつきません」そう言われた殊深はまたも微笑する。「仕事の依頼にきただけです」途端、杞李の瞳に鋭い光がさした。「是非ともあなたに頼みたい」殊深の笑顔は、わざとらしほど晴れ晴れしかつた。
その晩、杞李は闇に紛れて目標を待っていた。髪の毛や瞳と同じような黒色の服を身に着けている彼女は、背中に日本刀を抱えている。そして、ひたすら目を凝らす。屋敷の離れである、この目の前の家に人がやって来るの?
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