携帯小説!(PC版)

月光稀

[405]  ユータ  2006-08-27投稿
「はぁ…はぁ…」
青年は木の下に座り込み休んでいた。額から少し汗がでて、肩で息をしていたが、無事だった。見渡す限りに大木が空に伸びている。僅かに紅く染まる空が木々の間から見えた。
いまさっきまで平和だった自分の世界が一瞬で別の世界に来たようだ。静で優しい森が、今は暗く恐ろしく見えた。
恐怖感に捕われないようににぎりしめる拳の中に、海星から渡された剣があった。ひどく錆び付いている刀の柄の部分。
「なにが護法剣だ…ただの刀じゃないか…なんなら西洋の聖剣にでもなれよ…」一人呟き腰にさす。
立ち上がり砂を払った青年の耳に再び羽音が聞こえてきた。
急いで大木に身を隠す。
ブーン…近づいてきた羽音…ゆっくり振り返った青年の数メートル先に、奇蟲が目をぎらぎらさせていた。「き、きた…」数は一匹…しかし戦いなんて素人…薪割りくらいしかできない青年に勝ち目はない。頼りの剣も使えそうにない。
ゆっくり後ずさる。するとバキッ。ドキッと自分の足元をみると乾いた小枝を踏んでいた。
ギョロリと奇蟲の目が青年を捉えた。
青年がしゃがみ込むのと奇蟲の口がさっきまで青年のいた大木を食い破るのは同時だった。

感想

感想はありません。

「 ユータ 」の携帯小説

ファンタジーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス