時代(とき)を超えた青春*続・二人
「彩さん、聞きたい事があるんだ―」「なに…?」悌次郎は彩に顔を正面に向けた。「未来は―平和か?俺達が生きている慶應4年より…」「うん…平和―、戦争も無くて、恵まれてて…」「戦なんてしたって意味なんかない、俺はそう思ってる」「未来は、戦争がなくっても嫌な事は沢山ありすぎて…戦争するよりはマシだけど…」「そうか…武士の世は―終わるのか…会津も…守り続けてきた物も」悌次郎は言った。まるで会津は戦に負けたのを悟ったかの様に。「終りなんかしない!それに―会津の人達が守り続けてきたものも…!会津は―、きっと勝てる。白虎隊のみんながいるんだもん…それに…悌次郎君がいる…」彩は照れながら真っ直ぐに悌次郎を見つめた。「彩さん…もし俺が未来に生きていたら…良かったな…」「えっ…」「戦もない世でも生きられる…それに…彩さんと…ずっと共に居れる」顔をさりげなく隠した悌次郎、その顔は微笑んでいた。「悌次郎君…あ、あたしも…ずっと…一緒に居たい…ずっと…」 (続く)
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