携帯小説!(PC版)

月光稀

[342]  ユータ  2006-08-27投稿
「カイス…俺と来ないか?」
「えっ…」
ぱちぱちと囲炉裏の枝が燃えていく。
「お前は護法剣を使える…護法具を使える仲間をさがしてるんだ…子孫じゃなくても…お前の力を貸してくれないか…」
「……」しばらくの沈黙…そして。
「俺は…」カイスが口を開こうとした瞬間。「!!」海星がいきなり飛び出した。カイスを抱き抱えそのまま部屋を飛び出した瞬間。天井を突き破り巨大な蜘蛛が落ちてきた。
「追っ手か!」錫杖を構えて札を取り出す。
カイスも跳び起きて剣を抜く。見上げた敵は…「で、でけぇ…」思わずカイスは呟いた。

見上げる程の巨大な蜘蛛。太くて不気味な体毛の生えた脚。赤々と光る目が二人を睨み付けている。
「……」思わず後ずさるカイスに海星の声が響く。
「逃げるな!!目だけを見るな体を見ろ!動きをしっかり見るんだ。飲まれるな気合いをいれろ」
錫杖を地に打ち付ける。
震えていた足に感覚が戻ってくる。
「俺は聖法具を使えないが、浄霊術がある…勝負の鍵はカイスおまえだ。」
「無茶苦茶じゃないか…」泣き声のようなカイスは言った。肩越しに海星が見てくる。「でも…俺がやらなきゃなんだよ!やってやるさ!」

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