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『クライアナノナカ』 の真相 〜5〜

[393]  ヤルンヴィドの番犬  2010-06-19投稿

三人目。

名前:オイカワ トモアキ年齢:30歳 (男性)

建設会社営業課に勤めている、ごく普通の
サラリーマン。
性格はおとなしいが、
酒を飲むと人が変わって
明るく調子者になる。
綺麗好きでゴキブリが
大の苦手。
小動物の虐待前歴有り。


一方、
『クライアナ〜』の
三人目は、かなり
今までとは変わった内容になっている。

ごく普通の男が、
『ごき ぶり夫』
なる謎の男と酒を飲み、
『クライアナ』
に見立てられている穴を
覗く…

という展開。

文章、内容から察するに
『クライアナ』は掃除機、『ごき ぶり夫』は
ゴキブリと思われる。





…が。
余りに今回の『クライ〜』は稚拙だ。
はっきり言って馬鹿馬鹿しい。
『ディナー』もそれが
分かっていたのか、
今回だけはジャンルは
『コメディ』に投稿
されている。
コメディにしても
笑えない。
正直、この調査ばかりは
記者としての情熱が
削がれる。


だが、そんな話だからこそ、意外な手掛かりが
あるかも知れない。


僅かな希望を頼りに、
大目玉を喰らって沈んだ
私は、気力を振り絞り
最後の目撃があった
M市の歓楽街を
目指した。



居酒屋やスナックが
ひしめく街を歩き、
聞き込みを行ったものの、手掛かりらしい
手掛かりはない。

確かに、今回は『クライ〜』の展開もかなり
非現実的なため、
参考にできる事は
少ないのだ。

不意に、私は
『クライアナノナカ』
に対する調査全体が
非常に馬鹿らしく
感じて来た。

只の偶然…
悪質な愉快犯…

その可能性だってある。







とぼとぼと街を歩く私は、偶然目を向けた
空きビルを注視する。





くすんだ窓の先に
見えたのは、



某有名掃除機だけが
残されたフロア。













私は気を持ち直した。

あきらめるのは簡単だ。

だが、行方不明者を
面白おかしく書き立てる
『クライ〜』の真相を
私が突きとめねば。


決意を新たに、
私は四人目の行方不明
現場へ向かった。

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