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いつもの場所で52

[406]  YOSI  2010-06-23投稿
「お久しぶりですね〜。本当に食べに来てくれてありがとうございます。」
「いや…俺に出来ることなんて、こんなことくらいだから」
「ううん。充分だよ。義人さんは、やっぱり優しい人だね」
「そう…かなあ?」
「うん。あのね…」
由美は、少し間を置いて切り出した。
「たいていの人は、私が1人っ子ってゆうと、躊躇して居なくなったり、連絡つかなくなったりする の…それが、恋愛的なことにならなかったとしても。家が自営業だからかなあ」
義人には、由美の言いたいことは、解っていた。
彼女にしてみれば、1人娘だけに、自分の名字を残したい。
由美の親は、特にそのことに、こだわっているわけではないが、由美は、自分をここまで育ててくれた両親のためと思っていたのだ。
義人は次男であり、何より家庭環境を話しても、出会った時から、変わらず接してくれていた。
だが、肝心の胸の内は言い出せない。
由美もまた、義人同様、本心を言い出せないままでいた。
その時、由美の両親が、顔を出した。
「どうも、遠いところから来ていただいて、ありがとうございます」
「あっ、いえこちらこそ、素晴らしい料理をありがとうございます」
「由美から聞いてましたけど、本当に丁寧なんですね。」
「すいません、仕事柄、くせになってるとゆうか…」
「いえいえ、全然構わないですよ」
「あの…お仕事中に挨拶していただいて、すみません。」
「気にしないでください。こうやって、食べに来ていただいて、ありがたいことですから」
「あっ、じゃあ、忙しくなる前に退散します。俺はこれからも、ここに食べに来ると思いますけど、構わないですか?」
「もちろんですよ。私の体が続く限り、いつでもいらしてください」
「はい」
「義人さん、夜飲みに行きませんか?」
「えっ?でも…」
「あっ、私らは構わないですよ。由美も大人ですから」
由美の両親の気遣いに、義人は恐縮した
それぞれが、お互いの心情を察したやりとりであったが、義人は、気を使わせてしまったことを、申し訳なく感じた

感想

  • 38782: みっけ? [2011-01-16]

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