かけがえのないもの 8
隼人はビーズが散りばめられた箱を開けた。
すると…澄んだ音色が聴こえてきた。
「オルゴール…?」
「うん。オルゴール手作り体験みたいなのが出来る所があってね、お兄ちゃんが好きな曲もあったから…作ってみたんだ。」
ことあるごとに聴いてきたメロディーは、瑠奈の心が込められ、一層きれいに聴こえた。
「ありがとう、瑠奈。大切にするよ。」
「良かった、喜んでもらえて…じゃあ今度はこのフタ開けてみて。」
瑠奈はオルゴールのスライド式のフタを指さした。
「まだ、お土産あるの?…あ…」
そこには指輪が入っていた。いかにも手作りという雰囲気の、少しいびつな、しかし一生懸命作ったことが分かる、星型の飾りがついた指輪。
「これも…瑠奈が作ってくれたの?」
「うん。飾りのとこは七宝焼って言う伝統工芸の体験で作ったんだ。」
瑠奈はにこにこと隼人を見て、隼人の手から指輪を取った。
「手貸して。はめてあげる。」
「瑠奈…」
瑠奈は隼人の左手を取り、薬指に指輪をはめた。
隼人は瑠奈をじっと見つめ、微笑んだ。
「婚約指輪じゃないんだから…」
「細かいことは気にしないの。…うーん…ちょっとブカブカだけど、似合ってるよ。」
「ありがとう。」
瑠奈は隼人の左手の指輪を見て満足そうに笑った。
「これはね、子供の頃のお礼なんだ。」
「お礼?」
「覚えてる?私が確か7歳の誕生日の時。」
「7歳の誕生日…」
隼人はその時の事を思い出した。−−−
「瑠奈、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
家族全員で祝った瑠奈の誕生日。
皆が瑠奈を祝福し、瑠奈も家族の愛を存分に実感していた。
「瑠奈、プレゼントだぞ。」
「わぁーい!ありがとう!」
父は大きな熊のぬいぐるみを、母は可愛らしいドレスをプレゼントした。
「このドレス可愛いー!お姫様みたい!」
「瑠奈は家のお姫様だもの。きっと似合うわよ。」
「ありがとう、お母さん!」
瑠奈の幸せそうな笑顔に、家族も幸せな気分になっていた。何しろ家族全員で同じ時間を過ごすことが、他の家族と比べて少なかったから。
特別な時間だった。貴重な時間だった…
続く
すると…澄んだ音色が聴こえてきた。
「オルゴール…?」
「うん。オルゴール手作り体験みたいなのが出来る所があってね、お兄ちゃんが好きな曲もあったから…作ってみたんだ。」
ことあるごとに聴いてきたメロディーは、瑠奈の心が込められ、一層きれいに聴こえた。
「ありがとう、瑠奈。大切にするよ。」
「良かった、喜んでもらえて…じゃあ今度はこのフタ開けてみて。」
瑠奈はオルゴールのスライド式のフタを指さした。
「まだ、お土産あるの?…あ…」
そこには指輪が入っていた。いかにも手作りという雰囲気の、少しいびつな、しかし一生懸命作ったことが分かる、星型の飾りがついた指輪。
「これも…瑠奈が作ってくれたの?」
「うん。飾りのとこは七宝焼って言う伝統工芸の体験で作ったんだ。」
瑠奈はにこにこと隼人を見て、隼人の手から指輪を取った。
「手貸して。はめてあげる。」
「瑠奈…」
瑠奈は隼人の左手を取り、薬指に指輪をはめた。
隼人は瑠奈をじっと見つめ、微笑んだ。
「婚約指輪じゃないんだから…」
「細かいことは気にしないの。…うーん…ちょっとブカブカだけど、似合ってるよ。」
「ありがとう。」
瑠奈は隼人の左手の指輪を見て満足そうに笑った。
「これはね、子供の頃のお礼なんだ。」
「お礼?」
「覚えてる?私が確か7歳の誕生日の時。」
「7歳の誕生日…」
隼人はその時の事を思い出した。−−−
「瑠奈、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
家族全員で祝った瑠奈の誕生日。
皆が瑠奈を祝福し、瑠奈も家族の愛を存分に実感していた。
「瑠奈、プレゼントだぞ。」
「わぁーい!ありがとう!」
父は大きな熊のぬいぐるみを、母は可愛らしいドレスをプレゼントした。
「このドレス可愛いー!お姫様みたい!」
「瑠奈は家のお姫様だもの。きっと似合うわよ。」
「ありがとう、お母さん!」
瑠奈の幸せそうな笑顔に、家族も幸せな気分になっていた。何しろ家族全員で同じ時間を過ごすことが、他の家族と比べて少なかったから。
特別な時間だった。貴重な時間だった…
続く
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