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終わりは始まり2

[478]  ミーーン  2010-06-25投稿
「父上。如何様でございますか?」

のせていた、顎をあげ王子の姿をみつける。

「ああ、すまぬな。まぁそこの椅子に座りなさい」

低い声が目の前にある椅子を薦める。

王子が静かに座ると、それを見届けてから王は口を開いた。

「王子、そちはいくつだったかな?」

「は、来月で17になります」

手を拳に握り膝にのせる。じっとりと汗ばむのがわかる。


何を言われるのか。

王子の脳裏には何も浮かばない。

「王子、お前に嫁をとることにした。来月誕生日を迎えたら式だ。準備しとくように」

王は一息にいい、息子をみる。

目を見開き、王を見つめる王子は言葉がでない。

陸にあがる魚のように口がパクパクと動き、やっと喉の底より声をしぼりだした。

「ち・・父上・・・何を」
それが精一杯であった。


片手をあげ手を振る王の姿がみえた。

王の言葉は絶対。


王子はきたとき同様に静かに部屋をでる。



一国の王子なれば政略結婚ぐらい当たり前の事だとおもう。

だが、なぜそんな急ぐ必要があるのか。


釈然とはしなかったが、諦めは王族につきものであった。


遠く女性の一段がみえた。


母親と、その女官達だ。


目ざとく王妃の目が王子にとまる。


シュッ、シュッ・・

長いドレスの裾をひきづり王子に近付く。


良い香が手にもつ扇子を扇ぐたびに鼻孔をくすぐる。

「王子ではないか?いかがした?顔が冴えないぞ」

愛しい王子の顔を美しい指が撫でる。


王子は今王から言われた事を母に告げた。

母も初めてきいたらしく、目を丸くする。

「あれ、陛下は何をお考えか・・・あの人はたまに私に黙り一人で決める」

庭におかれたベンチに二人腰掛けていた。

「気に病むな、王子。私が王に申し立ててあげようぞ」

綺麗に微笑むと王妃は席を立ち遠ざかっていく。


王子は一人でため息をついていた

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