欲望という名のゲーム?18
ガタンと椅子が鳴る音がした。
誰かが腰を浮かせたらしい。
「私はゲームが好きだ。
この世もまた、終わりなきゲームだと思っているよ。
世界というゲーム盤の上で、人間という駒を使った、天空の神々がなされる、複雑にして遠大なゲームなのだと。
歴史という名のゲームだよ。
このゲームの中で雷音寺雅則という駒は、その役目が終わったらしい。
だから盤上から取り除かれる時がきたのだ。
それだけさ」
雅則はワインを口に運んだ。
「そしてまた、ゲームは人を振り分けるフルイだとも思っているよ。
それは勝者と敗者を分けるのではなく、賢者と愚者を分けるフルイなのだよ。
賢者は全てを得て、そして愚者には何も残らない。
オール・オア・ナッシング。
全てかゼロかだ。
そこで諸君達にもゲームをやってもらう事にした。
…そう、私の手の中にある、全財産を賭けたゲームをね」
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