『クライアナノナカ』 の真相 〜9〜
ついに最後の、七人目だ。
名前:ナグモ ケンタ
年齢:22歳
暗い性格が災いし、高校でイジメに会ったのが
きっかけで引きこもりに
なる。
基本的に『オタク』気質
だったらしく、
ゲームやアニメに
はまってしまい、それが
引きこもりをより加速
させてしまったらしい。
両親はそれがきっかけか
新興宗教に入信。
近所の住民によれば、
絶えず怒号や悲鳴が
飛び交っていたという。
典型的な家庭崩壊。
それは今のこの国の
縮図に思える。
『クライアナノナカ』は、またしても類似点を
示しているのだが、
正直な話、もはや
設定が今の世の中に
有りがちな展開で、
偶発的に一致した
可能性は十分にある。
いちいち記す必要は
ないだろう。
さすがに、
『クライアナ』に
見立てられているのが
一階へと降りる階段
なのはどうかと思うが。
『ディナー』
も『クライ〜』を
執筆した頃、作品内に
登場するゲームに
はまっていたのだろうか。
最後の最後が拍子抜けで、
読まれている方には
申し訳なく思う。
当然、手掛かりも
なかった。
本人も、両親も、住居
すらも消えてしまって
いるのだ。
『クライアナ』が、
住居そのものだとしたら、至極納得できる話かも
知れない。
やれやれ…。
私も、いよいよ
『ディナー』の考え方に
汚染されてきたか…。
そういえば、前回述べた、ディナーを引きずり
出す自信の所以だが…。
私が『ディナー』の
書く文面から察するに、
彼は自己陶酔の傾向が
あり、更に
自己顕示欲もかなり
高いと思う。
だから、そこを煽るのだ。
私は記者の端くれだ。
『出版』を餌に釣る。
汚い手だが、これが
最も効果的だ。
そして、それは一つの
事実で立証される。
『ディナー』は、
会うと言ってきたのだ。
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