欲望という名のゲーム?30
三階は中央に長い廊下が一本あり、その左右に三部屋づつ、そして廊下の突き当たりに一部屋と、計七部屋から成り立っていた。
右側の三部屋のドアに1、2、3と順に、左側のドアには4、5、6と、やはりそれぞれ番号が打ってあった。
正面のドアには何も書かれていない。
「左右の六部屋には、雅則様のゲームコレクションが収められております。
正面の部屋は雅則様の自室です」
鹿島を先頭にした一行は、順に一号室から回る事にした。
一号室には三台のビリヤードテーブルがあった。
壁沿いのキュー立てには、三十本以上のキューが並んでいる。
「左から、四つ玉、ポケット、そしてスヌーカー用と三種類の台があります」
「こりゃいいや。
誰かビリヤードの出来る奴はいるのか?」
明彦の問に誰も応えなかった。
「私でよろしければ、いつでもお相手いたしますが…」
鹿島がそう言うと、明彦は急に興ざめしたらしく、次へ行こうと言い出した。
二号室はトランプの間とも呼ぶべき部屋であった。
左右の壁が本棚のようになっていて、そこにびっちりと色とりどりのトランプが並べられている。
その数は千に近いものがあった。
そしてブリッジ用のテーブル、ブラックジャック用のテーブルなどが置かれている。
それらのテーブルと一緒に、電動の麻雀卓が一台あるのが、やけにおかしかった。
三号室は小さな図書室といった感じで、テーブルなどはいっさいなく、そのかわり本棚のようなものが幾列も並んでいた。
「なによ、この棚に収まってるのは?」
深雪が棚に収まっている箱状の物を見回しながら、首をかしげている。
「これ、全部ボードゲームよ」
と、孝子が驚嘆したように答えた。
「ほら、モノポリーでしょ、バンカースでしょ、あっ、クルーもあるじゃない。
それからあそこはシミュレーションゲームのコーナーで、その向こうにはバックギャモンがいくつもあるわ」
「ふん、くだらねぇ。
次行くぞ」
明彦はそう言い残して、部屋を出て行った。
四号室はコンピューターゲームの部屋だった。
いくつかのモニターな、何台かのパソコンやゲーム機が接続されている。
そして左右の壁際の棚にはゲームソフトが隙間なく収まっている。
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