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スカバンburn!!最終章 115 最後の歌へ

[364]  きゃしー  2010-07-02投稿

静まりかえった広いステージ。
薄暗い中で自分達に向けられたたくさんの瞳。

キーボードの前に立つと他のメンバーも緊張しているのが感じられた。

呼吸を調え顔をあげる。

振り返った翼が顔いっぱいに笑みを浮かべて笑いかけてくれた。
美弥はあの大人びた表情で頷いて、その隣の秋奈は馬鹿にしたように舌を出したけど、すぐに笑った。
聖二はやっぱり緊張しているのかどこかぎこちない笑顔で、反対に波音は今にも声を出して笑いだしそうだった。
猛はすぐ目の前でこっそりピースしていて、マイクの前に立った拓朗がこっちを見て“大丈夫”と口を動かし、私は頷く。

そして、すぐ左隣を振り返る。

いつものまっすぐな慶太郎の目がこっちを見つめていた。
スティックを握りしめた右手を軽くあげ、口元がにやりと笑う。右手首であのミサンガが揺れた。

私はもう一度頷いて、しっかり前を見る。

演奏するのは、初めて皆とやった歌。

鍵盤に触れる指先。

私はやっぱり大きく息を吸い込む。

そして、私の音と共に、最終の歌が始まる。

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