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幸運の女神-第二部 5

[506]  朝倉令  2006-08-29投稿


「まぁ、落ち着きなさい。何か飲み物でも頼む?」


「……そんな話を聞かされて、どう落ち着けって言うんですか!」


「彼女は無事よ、アナタが傍にいる限りはね…。
他人の話はきちんと最後まで聞くものでしょ?
違うかしら?」



顔色を変えていきり立つ俺を、手島美和は余裕ある大人の態度でヤンワリとたしなめてきた。






「…すいません。
ついカーッとなって…」


「気にする事ないわよ。
取り乱して当然ですもの、ウフフ…
アナタ、彼女を心から愛しているのね…」



メデューサとして美和が語った話によると、品川恵利花の内に潜む女神の魂が俺(倉沢諒司)の魂を呼び続け、二人を巡り合わせたらしかったが…


まさに『運命の出会い』というヤツなのか?……



「アナタには私と良く似たモノが備わっている様ね。
 肌を合わせた相手の運命を変転させる能力が…」


「…美和さんもそうなんですか?」



フッと謎めいた笑みを浮かべた手島美和は、その問いに答えず、思いがけない話を切り出してきた。



「諒司くん。
急な話で何だけど、あなたコルスのマネージャーをやって貰えないかしら?

判っているだろうけど、私がオーナーだからオーナー命令でもあるわね。

ひとこと言っておくと、これはアナタ達二人の為でもあるのよ?」


「俺たち二人の?……」



俺は、今耳にした言葉の意味を即座に脳で処理し切れなかった。


そんな俺を見守りながら、美和はいつも通りちょっと意地悪そうにほほ笑んでいる。



そこでハッと我に返った俺は、彼女に問い掛けの眼差しを向けていた。






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