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欲望という名のゲーム?38

[386]  矢口 沙緒  2010-07-04投稿



「白い毛と、黒い毛と、茶色い毛が混ざった猫の事よ」
「じゃあれか?
よくその辺を歩いてる、柄がごちゃごちゃした猫か?」
「そう、そのごちゃごちゃよ」
喜久雄は少し考える。
「昨日のビデオだけどな。
お前はあのヒントの所で、どう思った?」
「別に、どうとも…」
「僕は兄貴が三つの事を強調したように思えた。
まず『猫』、これが一つ。
そしてそれが『三毛』である事。
最後に名前が『パブロ』だという事。
この三つだ。
『パブロ』に関しては何も分からないが、しかし今の説明を聞いてて、『三毛』についてちょっと思い付いた」
「なになに?」
友子がわくわくしている。
「あれは『三色』を暗示してるんじゃないかって…」
「三色?
…あっ、分かった!」「何だ!言ってみろ」
「それって、三色スミレじゃないかしら?
ここの庭には花が一杯咲いてたし。
確か、時期も今頃よ」
二人は窓から庭を見下ろした。
確かに花の中に、三色スミレがありそうだ。
「いくぞ!」
喜久雄の掛け声とともに、二人は廊下に飛び出した。

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