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番外編 スカバンburn!! (1/4)

[312]  きゃしー  2010-07-04投稿

〜♪


毎朝聞こえてきたのは、クラシック。

モーツアルト、ベートーベン、リスト、ラヴェル、シューマン、エルガー、バッハ、シューベルト…


小さい時から私はたくさんの作曲家を知っていたし、たくさんの名曲を知っていた。

そんな中、私が何より好きだったのがピアノ。
だからピアノを弾くお兄ちゃんが羨ましかった



「あーもうピアノやーめたっ」

そう言ってお兄ちゃんは椅子から飛びおりた。

「お兄ちゃん、ピアノ弾かないの?」

「もう飽きた」

誰もいないピアノの椅子。

お兄ちゃんは背を向けて、漫画を読んでる。


私はそっと椅子に座ってみた。


白と黒が、きっちり並んだ鍵盤。

私はそれに触れてみた。





お兄ちゃんが振り返った気がしたけど、もう気にしなかった。


いつも頭の中にあったメロディが、私の指先からこぼれるように響いた。


「!!……お、お母さん!!」


突然叫んだ兄の声に私は手をとめた。


怒られる


そんな気がして私は小さくなった。


やがてお兄ちゃんの後について母さんがやってきた。


ごめんなさい


私がそう言う前に母さんが言った。

「光希、ピアノやりたい?」

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