携帯小説!(PC版)

トップページ >> ミステリ >> 欲望という名のゲーム?41

欲望という名のゲーム?41

[385]  矢口 沙緒  2010-07-04投稿



    3

食堂のテーブルに五人が揃ったのは、ちょうど六時だった。
牧野の料理が次々に運ばれてくる。
その料理を食べながら、明彦、喜久雄、深雪の三人は、お互いをチラチラと見ていた。
まだ誰も宝探しに成功した者はいないようだ。
しかし手掛かりを掴んだ者はいるかもしれない。
いったいこいつら、どこで何を調べてるんだ。
そんな考えが三人の頭にはあるのだろう。
食事が終わって、孝子にだけデザートが付いた。
牧野がアイスクリームと小さな器を持ってきた。
その器からは湯気が立っている。
「バニラアイスとパイナップル・リキュール・ソースでございます。
どうぞソースが熱いうちに、アイスクリームにかけてお召し上がりください」
「えっ?
熱いうちにかけるの?」
「はい」
孝子はアイスクリームの周りにソースをぐるりとかけて食べ始めた。
「ほんと、美味しいわ。
不思議だけど、熱いのと冷たいのって合うのね」
牧野は満足そうにうなずく。
「熱い物と冷たい物は、意外と相性がいいのです。
アイスクリームの天ぷらというのもあるくらいですから」
「あっ、それ明日食べたい」
孝子が無邪気に言う。
「かしこまりました」
「ねぇ、それ美味しそうね。
私にもある?」
孝子の食べるのを見ていた友子が言う。
「はい、すぐにお持ちいたします。
深雪様はいかがですか?」
「見たくもない」
素っ気なく断る。
友子にアイスクリームが運ばれてすぐ、鹿島が食堂に入ってきた。
手にビデオテープを一本もっている。
「これが本日分のテープです。
さっそくお見せしましょう」
そう言って一同を見回した時、深雪と目があった。
彼女はツンと横を向いた。
鹿島は苦笑いした。
「その前にひとつだけご注意申し上げますが、昼食はちゃんと取ったほうがよろしいのではないかと思いますがね。
先はまだ長いのですから。
今日お昼におみえになったのは、孝子様お一人だけでしたよ」
孝子がクスクスと笑った。
「余計なお世話よ!」深雪が噛み付く。
「そうだ、つまらん事言ってないで、早くビデオを見せろ」
明彦も深雪に続く。
鹿島はやれやれといった表情で、ビデオのスイッチを入れた。

感想

感想はありません。

「 矢口 沙緒 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス