帰ってくれ 5
「お兄ちゃん…?」
綾香は麻友美と亮平の顔を交互に見比べた。
そして考え抜いた末、口を開いた。
「似てない。」
「いや、ほんとだし。」
「…あんた、亮平の何なの?」
「うーん…大事な人…かな。」
麻友美がぽつりとつぶやく。亮平は慌てた。
「お前…何言ってんだよ!」
「大事な人…?」
間違ってはいないが、この状況で絶対に言ってはいけない一言。
「そうです。お兄ちゃんは、大事な人です。」
「気安く「お兄ちゃん」とか呼んでんじゃないわよ!」
「だってお兄ちゃんだし…」
亮平は頭を抱えた。
予想してた事態が起こってしまった。
わざわざ誤解を招く言い方をする麻友美となかなか信じない綾香。
「そんなこと言って…浮気してるんでしょ!?…亮平も最低…」
「だから麻友美はほんとに妹なんだって…」
「そうです!大事なお兄ちゃんなんです!」
「だから!そういう言い方するからややこしくなるんだって!」
「なんで?ほんとのことじゃん。」
初めて麻友美のことを本気で憎くなった。
綾香は今にも殴り掛かりそうな目で兄妹を見る。
「事態悪化させてどうすんだよ…」
「ほんとに兄妹なら…証拠見せてよ!」
「証拠って…」
「ありますよー。」
麻友美はそういうとバッグから写真を出した。
3年前に家族で沖縄に行った時の写真だ。
「麻友美…これ持ち歩いてたの?」
「へっへー。こういうときのためにね。」
「滅多にあることでもないけどな。」
亮平は初めて麻友美に救われた気持ちになった。
綾香は写真をまじまじと見つめ、口を開いた。
「なんだー。妹だったの?最初から言ってくれればよかったのにー」
…こいつもバカか…
「最初からそう言ったじゃん。妹だって。」
「私、亮平の彼女の綾香って言います。よろしくね。」
「麻友美です。よろしく。」
互いに握手する綾香と麻友美。
やれやれ…やっと一段落か…
亮平は疲れきってしまった。
続く
綾香は麻友美と亮平の顔を交互に見比べた。
そして考え抜いた末、口を開いた。
「似てない。」
「いや、ほんとだし。」
「…あんた、亮平の何なの?」
「うーん…大事な人…かな。」
麻友美がぽつりとつぶやく。亮平は慌てた。
「お前…何言ってんだよ!」
「大事な人…?」
間違ってはいないが、この状況で絶対に言ってはいけない一言。
「そうです。お兄ちゃんは、大事な人です。」
「気安く「お兄ちゃん」とか呼んでんじゃないわよ!」
「だってお兄ちゃんだし…」
亮平は頭を抱えた。
予想してた事態が起こってしまった。
わざわざ誤解を招く言い方をする麻友美となかなか信じない綾香。
「そんなこと言って…浮気してるんでしょ!?…亮平も最低…」
「だから麻友美はほんとに妹なんだって…」
「そうです!大事なお兄ちゃんなんです!」
「だから!そういう言い方するからややこしくなるんだって!」
「なんで?ほんとのことじゃん。」
初めて麻友美のことを本気で憎くなった。
綾香は今にも殴り掛かりそうな目で兄妹を見る。
「事態悪化させてどうすんだよ…」
「ほんとに兄妹なら…証拠見せてよ!」
「証拠って…」
「ありますよー。」
麻友美はそういうとバッグから写真を出した。
3年前に家族で沖縄に行った時の写真だ。
「麻友美…これ持ち歩いてたの?」
「へっへー。こういうときのためにね。」
「滅多にあることでもないけどな。」
亮平は初めて麻友美に救われた気持ちになった。
綾香は写真をまじまじと見つめ、口を開いた。
「なんだー。妹だったの?最初から言ってくれればよかったのにー」
…こいつもバカか…
「最初からそう言ったじゃん。妹だって。」
「私、亮平の彼女の綾香って言います。よろしくね。」
「麻友美です。よろしく。」
互いに握手する綾香と麻友美。
やれやれ…やっと一段落か…
亮平は疲れきってしまった。
続く
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