帰ってくれ 7
「「おー」」
麻友美と綾香は並べられた料理を見て歓声をあげた。が…
「キャベツ少ない…」
「あ、トマト…」
2人はここでもいちゃもんをつける。
「お兄ちゃん、麻友美がトマト嫌いなの知ってるじゃん…」
「野菜たっぷりめって言ったのに…」
亮平はしばらく黙っていたが、やがて拳を固めながら言った。
「…黙って食え。」
「うーん…いただきまーす。」
「いただきまーす。」
麻友美と綾香はそれぞれ料理を食べはじめた。
「んー…微妙。」
「お兄ちゃん相変わらず可もなく不可もなくだね。」
「お前ら作ってもらってんだからお世辞でも「美味しい」とかないのかよ…」
「「ない。」」
2人の息はピッタリだった。
むしろこの2人が姉妹なんじゃないかと思った。
「…帰れ。ほんとに。」
「だって、麻友美ちゃん。」
綾香は麻友美に言った。それを聞いた麻友美は目を丸くした。
「何で!?麻友美はお兄ちゃんに会いたくて来たのに…」
「私だってそうよ。っていうか私はちゃんと連絡して来てるんだから。麻友美ちゃんいきなり来て迷惑かけてるんだから帰りなよ。」
「迷惑なんてかけてないもん!ね、お兄ちゃん?」
麻友美は亮平に目で訴える。亮平は即答した。
「迷惑。」
「ほらー!」
「嘘でしょ!?お兄ちゃんのバカ!」
「自分のお兄ちゃんに「バカ」とか言っちゃだめじゃん!」
「いいじゃん兄妹なんだから!綾香さんこそ邪魔しないで!」
さっきまで仲良くしてた2人が今は言い争ってる。全く女ってのは…
亮平はなかば呆れかけていた。
「私は亮平の彼女!邪魔なわけないでしょ!?」
「…とりあえず2人ともうるさい。」
亮平のつぶやきも耳に入っていないらしい。
ああ…ほんと早く帰ってくれ…
「何よ!お兄ちゃんとそんなに長いこと暮らしてないくせに!」
「もう1年付き合ってるわよ!」
「たった1年で偉そうにしないで!麻友美は16年ずっと一緒だったんだから!」
「兄妹なんだから当たり前でしょ!」
段々激しくなる喧嘩に、さすがの亮平も立ち上がって止めに入ろうとした。
何せ自分のことで言い争っているのだ。
続く
麻友美と綾香は並べられた料理を見て歓声をあげた。が…
「キャベツ少ない…」
「あ、トマト…」
2人はここでもいちゃもんをつける。
「お兄ちゃん、麻友美がトマト嫌いなの知ってるじゃん…」
「野菜たっぷりめって言ったのに…」
亮平はしばらく黙っていたが、やがて拳を固めながら言った。
「…黙って食え。」
「うーん…いただきまーす。」
「いただきまーす。」
麻友美と綾香はそれぞれ料理を食べはじめた。
「んー…微妙。」
「お兄ちゃん相変わらず可もなく不可もなくだね。」
「お前ら作ってもらってんだからお世辞でも「美味しい」とかないのかよ…」
「「ない。」」
2人の息はピッタリだった。
むしろこの2人が姉妹なんじゃないかと思った。
「…帰れ。ほんとに。」
「だって、麻友美ちゃん。」
綾香は麻友美に言った。それを聞いた麻友美は目を丸くした。
「何で!?麻友美はお兄ちゃんに会いたくて来たのに…」
「私だってそうよ。っていうか私はちゃんと連絡して来てるんだから。麻友美ちゃんいきなり来て迷惑かけてるんだから帰りなよ。」
「迷惑なんてかけてないもん!ね、お兄ちゃん?」
麻友美は亮平に目で訴える。亮平は即答した。
「迷惑。」
「ほらー!」
「嘘でしょ!?お兄ちゃんのバカ!」
「自分のお兄ちゃんに「バカ」とか言っちゃだめじゃん!」
「いいじゃん兄妹なんだから!綾香さんこそ邪魔しないで!」
さっきまで仲良くしてた2人が今は言い争ってる。全く女ってのは…
亮平はなかば呆れかけていた。
「私は亮平の彼女!邪魔なわけないでしょ!?」
「…とりあえず2人ともうるさい。」
亮平のつぶやきも耳に入っていないらしい。
ああ…ほんと早く帰ってくれ…
「何よ!お兄ちゃんとそんなに長いこと暮らしてないくせに!」
「もう1年付き合ってるわよ!」
「たった1年で偉そうにしないで!麻友美は16年ずっと一緒だったんだから!」
「兄妹なんだから当たり前でしょ!」
段々激しくなる喧嘩に、さすがの亮平も立ち上がって止めに入ろうとした。
何せ自分のことで言い争っているのだ。
続く
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