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GO AWAY#55

[320]  速見  2010-07-05投稿
しかし、いいのだろうか?京都がこれほどまでのトラウマである事件の話をしても?優は京都にトラウマを思い出さないように避けていたみたいのだが……。

優は肯定する京都の顔を見て


「お前が自分の口から言いたいと受け取っていいんだな?お前と六年前の話をしても?」


優は先ほど以上威圧で京都に問うと


「……あぁ。この事件が雪野さんの事件にかかわっているというのならば!」


京都は少しためらった様子を見せたが、うつ伏せていた顔をあげて答えた。その言葉を聞いて優は腹をくくったのか本腰を入れて京都から事件の詳細を自分が知る限り話した。


実は京都は六年前の事件から半年は精神的ショックから立ち直れなかったのだ。その事があったので優は自分の弟同然の京都を守るために事件の詳細は教えなかったのだ。


「いいか?これから俺が話すことはお前にとって絶対につらい思い出を思い出させるだけかもしれないがお前がこの事件を絶対に解決したいと思うのならば目をそらすな」


優の威圧に思わず一歩引きそうになったが京都は


「ああ!」


と、力強く頷き自分のトラウマと向き合った。しかし、優から発せられる言葉(真実)は、たった十七歳の高校生にはあまりにもつらく……事件からいかに六年が経っていようが酷な内容であった。



事件の概要は六年前の五月七日。丁度その年は土日がゴールデンウィークとかぶっていて超大型連休となっていたため優と京都は7日の日曜日に安井家に戻ってきた。安井家の三人と京都の兄・京我は用事がなく自宅で過ごしていた。しかし、二人が帰ってくる二日前に事件は起きた。二日前の五月五日深夜に何者かが安井家の家に侵入し、優の妹であり、京都と同い年だった安井千佳を絞殺・京都の兄で優と同い年だった京我を撲殺。一階の寝室で二人で寝ていた優の両親である優作と千絵は刺殺………その家にいた人間をすべて殺した。


そして犯人は何を思ったのか四人の血をリビングのいたるところにまき散らし血で“art”と書きバラバラに切断した体でデコレーションとも言い難い事をしていた。

ここまでは京都自身もうろ覚えだが覚えていた。

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