携帯小説!(PC版)

トップページ >> ミステリ >> 欲望という名のゲーム?42

欲望という名のゲーム?42

[410]  矢口 沙緒  2010-07-07投稿



パッとテーブルの上のテレビが明るくなり、昨夜と同じように雅則がテーブルについた。
「やぁ諸君。
今夜も食後の挨拶に来たよ」
テレビの中の雅則が、軽い感じで話しだす。
「どうかね。
今日一日で、何か手掛かりを掴んだ者はいるかな?
それともまだ、暗中模索の段階かな?
それでは暗中模索の方々へ、本日のヒントを出そう。
三階の六号室。
そう、あのチェスの駒が置いてある部屋だよ。
あそこには行ってみたかね?
あの部屋には、私の自慢のチェスセットが一組あるのだが、もう見てくれたかな?
小さい水晶のチェスセットだよ。
見た者なら分かると思うが、あのセットには白のクイーンが無かっただろ。
そのはずさ。
私が隠したのだからね。
諸君達が始めに出会う手掛かりは、この白のクイーンのはずだ。
いきなり本来の目的地に到達する事は不可能なのだよ。
この隠された白のクイーンが第一チェックポイントであり、そして折り返し地点でもあるのだ。
だからまず、この白のクイーンを探すことに、全力を上げてもらいたい。
そのためのヒントは、すでに昨夜出揃っているはずだ。
そして私は声を大にして、こう言おう!
『捕らわれのクイーンを救い出し、正しき位置に導け。
されば扉は開かれん!』
とね。
…あっ、そうそう、追伸があるよ。
何か分からない事があったら、この屋敷にある本を自由に活用してくれたまえ。
宝探しに必要な知識は、全部揃っているはずだ。
だが膨大な本の数だからね。
何が必要なのかは、自分で考えてくれたまえ。
では諸君、また明晩会うとしよう」
雅則の姿が消え、画面は無意味な雑音になった。
鹿島がスイッチを切る。
「やっぱり兄貴が隠したのか」
明彦がいまいましそうに言った。
「ねぇ、これだけなの?」
友子が鹿島に聞くと、彼はうなずく。
「ちょっと、これだけじゃ、昨日とたいして状況が変わらないじゃない」
「妻の言う通りだ。
これじゃ、なんのヒントにもならない。
あとテープは何本残ってるんだ?」
「残りのテープは、あと三本ございます。
毎晩一本づつお見せする事になっております」
「それを今、全部見せてもらいたい」

感想

感想はありません。

「 矢口 沙緒 」の携帯小説

ミステリの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス