七色の金魚?
やえと別れた後、私は自分のマンションへ帰ろうと思ったのだけれど、そのまままっすぐ帰る気にならずに近くの公園へ立ち寄った。
真夏の午後二時と言う時間帯ということもあって、公園にはほとんど人がいなかった。
この公園はとても広い公園でいつもはジョギングをしている人や犬の散歩をしている人でにぎわっていた。
私は、彼との思い出があるこの公園にはあまり立ち寄らないようにしていた。
不意に公園で一番大きな木の下に懐かしい金魚の屋台が居た。
別に普段なら無視して通り過ぎるのだけれど、その日はなぜかその屋台の金魚を覗いていた。
赤い金魚や黒い出目金や白い金魚が暑さに負けずに泳いでいた。
大きな木のおかげで日陰になっていたので、幾分か涼しかった。
金魚屋の叔父さんは、ラジオを聴きながら客には無関心な様子で下を見ていた。
私も大して買う気もなかったのだけれど、懐かしい金魚に長い時間見とれていた。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
私も金魚屋の叔父さんも日陰にいる金魚たちさえも分からなかった。
ただ、時間が止まってしまったようだった。
その止まった時間を動かしたのは、私だった。
私は、いつの間にか泣いていた。
いつの日か、夏祭りで彼が赤い金魚を一匹飼ってくれたことを思い出したのだ。
次に、叔父さんがゆっくりと動き出した。
俯いたままの顔をゆっくりと上げて私を見た。
その顔をよく覚えていないのだけれど、優しい目をしていた。
真夏の午後二時と言う時間帯ということもあって、公園にはほとんど人がいなかった。
この公園はとても広い公園でいつもはジョギングをしている人や犬の散歩をしている人でにぎわっていた。
私は、彼との思い出があるこの公園にはあまり立ち寄らないようにしていた。
不意に公園で一番大きな木の下に懐かしい金魚の屋台が居た。
別に普段なら無視して通り過ぎるのだけれど、その日はなぜかその屋台の金魚を覗いていた。
赤い金魚や黒い出目金や白い金魚が暑さに負けずに泳いでいた。
大きな木のおかげで日陰になっていたので、幾分か涼しかった。
金魚屋の叔父さんは、ラジオを聴きながら客には無関心な様子で下を見ていた。
私も大して買う気もなかったのだけれど、懐かしい金魚に長い時間見とれていた。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
私も金魚屋の叔父さんも日陰にいる金魚たちさえも分からなかった。
ただ、時間が止まってしまったようだった。
その止まった時間を動かしたのは、私だった。
私は、いつの間にか泣いていた。
いつの日か、夏祭りで彼が赤い金魚を一匹飼ってくれたことを思い出したのだ。
次に、叔父さんがゆっくりと動き出した。
俯いたままの顔をゆっくりと上げて私を見た。
その顔をよく覚えていないのだけれど、優しい目をしていた。
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