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携帯小説家・Dの苦悩 4

[551]  デフレーター  2010-07-12投稿
「ちなみにさ」
渉は部屋の隅にあったパイプ椅子を出してDの横に座った。
「閲覧者数、投稿するたびに減る一方だよな。」
「な…」
確かにDの小説の閲覧者数は、最初の作品の56人をピークに減りつづけている。
「最終的には2人になってたよな。俺と、お前。」
渉は自分とDを指差しながらそう言った。
「…なんなんだよさっきから偉そうに…」
Dはついに不満をぶつけた。
「あ?」
「さっきから上から目線でアドバイスしてきたり批判したりなんなんだよ!俺だってそれくらい分かってっから!だからいい作品書こうとして悩んでんじゃん!」
Dは渉につかみかかったが、渉は不敵な笑みを浮かべ、Dの手をそっと振り払った。
「まあまあそんな熱くなるなよ。俺がちゃんとアドバイスしてやるから。その通り書けば間違いなく受ける。」
「…は?」
渉はなぜか自信たっぷりだった。まるでプロの携帯小説家のようだ。
「俺のアドバイス受けられんだからありがたく思えよ?まずは書く過程からだな。」
渉はDの机からノートとペンを出して、あれこれ書き始めた。あまりの出来事にDは慌てはじめる。
「おい…」
「いきなり携帯に打ち込もうとするからだめなんだよ。小説の基本は書くこと。まず紙に設定とか登場人物とか大まかなストーリー書いて…」
「ちょっと待てって。」
Dは渉の手からペンを取り上げた。
「なんだよ。」
「お前なんか調子乗ってない?何教えようとしちゃってんの?」
Dが問い詰めると渉はまたしてもさらりととんでもないことを口にした。
「だって俺お前が投稿してる携帯小説サイトの管理人だし。」
「はあー!?」
冗談だと思った。あまりにも突拍子のない告白。Dはちっとも理解できない。
「マジマジ。ほら。」
そういうと渉は携帯の画面を見せた。
そこにはDが投稿してる携帯小説サイトの管理人専用画面が映っていた。
「管理人様だったん…ですか。」
「何急にあらたまってんだよ。」
「知らなかったもので…」
Dは渉が管理人と知るや否や急に腰が低くなった。
「そんな敬語使わなくていいけどさ。もっとマシな作品書けよ。俺のサイトの名誉にも関わるし。」
「結局それかい。」
「お前がいい作品書けば、もっと閲覧者増えてスポンサーからも広告料取れるしな。」
渉はそう言って笑った。

続く

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