代償 4
恵梨がメールを送った翌日、篤史はいつも通り遅刻寸前で登校した。
「やっべーまたギリギリだー!みんな、おはよっす!」
いつも通り元気な挨拶をしたが、クラスメートたちの反応はなかった。
「あれ…?みんなどーした?」
「…篤史、最低。」
「…は?」
「そんな奴だとは思わなかったよ。」
クラスメートたちは口々に篤史に失望と軽蔑の言葉をぶつけた。
「ちょ…待てよ。俺が何した?」
篤史は冗談だろうと思って笑ったが、相変わらず周りの視線は冷ややかだ。
「昨日、お前清香のこと泣かせたんだってな。」
「え…?」
篤史は清香を見た。
清香は俯いたまま顔を上げない。
「恵梨が見てたんだって…なんかヤバそうな感じだったって昨日メール来た。」
「お前ガキじゃないんだからさ…女の子泣かせて何が面白いんだよ…」
「あんま調子のんなよ」
「最低」「人間のクズ」
浴びせられる罵声。さすがの篤史も黙り込んだが、やがて口を開いた。
「あれは、清香が受験のことで悩んでたから励ましてやってたんだよ。そしたら清香が急に泣きだしちゃって…な、清香?」
篤史は救いを求めるように清香を見た。
「へぇー?清香のせいにするんだ?」
「大したもんだな。自分のしたこと棚に上げて…」
「ちょっ…なんで信じてくんないんだよ!俺の言ってること、あってるよな?清香?」
清香は顔を上げなかった。
篤史はみるみる表情をなくした。
「ほらー。やっぱり清香に酷いこと言ったんでしょ!」
「ほんと最低な野郎だな…もう2度と学校くんなよ。」
「清香…?何で黙ってんだよ…完全に俺悪者になっちゃってんじゃん!」
篤史は慌てて清香に詰め寄るが、それを恵梨が阻止する。
「もう清香に近寄らないで。」
「…」
「見苦しいよ、篤史。」
「清香に謝れよ。」
「もうほんと来るな。」
クラスメートから次々と繰り出される非難の声。…その時
「どうした?朝から騒がしいな…」
杉本が教室に入ってきた。
続く
「やっべーまたギリギリだー!みんな、おはよっす!」
いつも通り元気な挨拶をしたが、クラスメートたちの反応はなかった。
「あれ…?みんなどーした?」
「…篤史、最低。」
「…は?」
「そんな奴だとは思わなかったよ。」
クラスメートたちは口々に篤史に失望と軽蔑の言葉をぶつけた。
「ちょ…待てよ。俺が何した?」
篤史は冗談だろうと思って笑ったが、相変わらず周りの視線は冷ややかだ。
「昨日、お前清香のこと泣かせたんだってな。」
「え…?」
篤史は清香を見た。
清香は俯いたまま顔を上げない。
「恵梨が見てたんだって…なんかヤバそうな感じだったって昨日メール来た。」
「お前ガキじゃないんだからさ…女の子泣かせて何が面白いんだよ…」
「あんま調子のんなよ」
「最低」「人間のクズ」
浴びせられる罵声。さすがの篤史も黙り込んだが、やがて口を開いた。
「あれは、清香が受験のことで悩んでたから励ましてやってたんだよ。そしたら清香が急に泣きだしちゃって…な、清香?」
篤史は救いを求めるように清香を見た。
「へぇー?清香のせいにするんだ?」
「大したもんだな。自分のしたこと棚に上げて…」
「ちょっ…なんで信じてくんないんだよ!俺の言ってること、あってるよな?清香?」
清香は顔を上げなかった。
篤史はみるみる表情をなくした。
「ほらー。やっぱり清香に酷いこと言ったんでしょ!」
「ほんと最低な野郎だな…もう2度と学校くんなよ。」
「清香…?何で黙ってんだよ…完全に俺悪者になっちゃってんじゃん!」
篤史は慌てて清香に詰め寄るが、それを恵梨が阻止する。
「もう清香に近寄らないで。」
「…」
「見苦しいよ、篤史。」
「清香に謝れよ。」
「もうほんと来るな。」
クラスメートから次々と繰り出される非難の声。…その時
「どうした?朝から騒がしいな…」
杉本が教室に入ってきた。
続く
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