携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 君と見た空*3の2

君と見た空*3の2

[467]  玲唯  2010-07-17投稿


 今の時間帯からして、やっているのはニュースだけ。


 つまんないの。


 適当にチャンネルを変えてみる。


 すると天気予報をやっている番組が映った。


「明日は晴れで、降水量は10パーセントでしょう」


 よかった。
 明日は晴れだ。


 アオトもこれ見てるかな。


 *


 昨日の予報通り、今日は晴れだった。


 学校からの帰り道、私はあの公園に向かった。


「あ、いた」


 公園に、アオトの姿があった。


 ベンチに座ってるせいで後ろ姿だったけど、何となく分かるんだよね。


 私は音を立てないように、そっと近付いていく。


「アオトっ!」

「わっ!」


 驚いてる驚いてる。


 よし、あの時の仕返し完了!


「リクか。びっくりした」

「この前の仕返し」


 私がそう言うとアオトは、やられたって言って笑い出した。


「昨日、凄い雨だったよね」

「そうだね。今日は晴れてよかった」

 本当に空が好きなんだなあ。


 凄く嬉しそうだし。



 何かいいなあ。


 アオトとこうして空見てるの。


 今日は本当に晴れてよかった。




「何かいいことあった?」

「え?」

「この前より明るい気がしたから」


 分かっちゃうんだ。凄いなあ。


「今日晴れたから、かな。あとねえ。昨日、好きな人と話せたんだあ」

「……そうなんだ。よかったね」

「うん! ってかアオトには、彼女いないの?」

「いないよ」

「好きな人は?」

「いる」

「じゃ、頑張んなきゃだね」

「うん。……そーだね」


 その時、私の頬に冷たいものが当たった。


 触れてみると、それが雨粒だということが分かった。


 暫くすると、雨が静かに降り出してきた。


「私、帰るね───」


 そう言いながらアオトの方を向いた。


 でもそこにはアオトの姿がない。


 帰ったのかな。いつの間に?


 帰るなら帰るって、言ってくれればいいのに……って、思ってる場合じゃない!


 私は急いで立ち上がると、芝生を土手まで猛スピードで駆け上がった。


 天気予報は晴れって言ってたから当然傘は持ってきてないし、折り畳み傘を持ってるほど私は用意がよくない。


 私は嘘の天気予報に怒りを感じながら、走った。


感想

感想はありません。

「 玲唯 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス