君と見た空*3の2
今の時間帯からして、やっているのはニュースだけ。
つまんないの。
適当にチャンネルを変えてみる。
すると天気予報をやっている番組が映った。
「明日は晴れで、降水量は10パーセントでしょう」
よかった。
明日は晴れだ。
アオトもこれ見てるかな。
*
昨日の予報通り、今日は晴れだった。
学校からの帰り道、私はあの公園に向かった。
「あ、いた」
公園に、アオトの姿があった。
ベンチに座ってるせいで後ろ姿だったけど、何となく分かるんだよね。
私は音を立てないように、そっと近付いていく。
「アオトっ!」
「わっ!」
驚いてる驚いてる。
よし、あの時の仕返し完了!
「リクか。びっくりした」
「この前の仕返し」
私がそう言うとアオトは、やられたって言って笑い出した。
「昨日、凄い雨だったよね」
「そうだね。今日は晴れてよかった」
本当に空が好きなんだなあ。
凄く嬉しそうだし。
何かいいなあ。
アオトとこうして空見てるの。
今日は本当に晴れてよかった。
「何かいいことあった?」
「え?」
「この前より明るい気がしたから」
分かっちゃうんだ。凄いなあ。
「今日晴れたから、かな。あとねえ。昨日、好きな人と話せたんだあ」
「……そうなんだ。よかったね」
「うん! ってかアオトには、彼女いないの?」
「いないよ」
「好きな人は?」
「いる」
「じゃ、頑張んなきゃだね」
「うん。……そーだね」
その時、私の頬に冷たいものが当たった。
触れてみると、それが雨粒だということが分かった。
暫くすると、雨が静かに降り出してきた。
「私、帰るね───」
そう言いながらアオトの方を向いた。
でもそこにはアオトの姿がない。
帰ったのかな。いつの間に?
帰るなら帰るって、言ってくれればいいのに……って、思ってる場合じゃない!
私は急いで立ち上がると、芝生を土手まで猛スピードで駆け上がった。
天気予報は晴れって言ってたから当然傘は持ってきてないし、折り畳み傘を持ってるほど私は用意がよくない。
私は嘘の天気予報に怒りを感じながら、走った。
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