欲望という名のゲーム?62
孝子はカードの山の上から一枚づつカードを取っては、クイーンの右横に並べ出した。
ハートのクイーンの隣はクラブの4、その隣はダイヤの9、そしてその隣にハートの2。
「こうしてカードを並べて、中を二枚飛ばしたカード、つまりこの場合はハートのクイーンとハートの2ね」
孝子は最初のカード、ハートのクイーンと、そして二枚飛ばした次のカード、ハートの2を指で示した。
「この二枚のカードの数字か、あるいはマークが合えば、間に挟まれた二枚のカードを列から取り除く事ができるのよ。
この場合はハートのマークが合うから、中の二枚を取り除けるわ」
そう言って、クラブの4とダイヤの9を取り除いた。
「そしてカードを取り除いたら、このハートの2をハートのクイーンにくっ付ける。
そしてまた山からカードを並べるの」
ハートの2の横にクラブの6、その隣にスペードのジャック。
「ねっ、今度のスペードのジャックとハートのクイーンとじゃ、マークも数字も違うから、挟まれた二枚を取る事は出来ないの」
もう一枚のカードを置く。
今度はスペードの7。
「このスペードの7と、二枚飛ばしたハートの2とを見る訳だけど、これもダメね。じゃ、もう一枚」
次がダイヤのエース。
「こっちがクラブの6だからダメね」
次がハートのジャック。
「ほら、今度はジャックとジャックだから、間の二枚を取れるの」
そう言って、スペードの7とダイヤのエースを取り除き、そしてハートのジャックをスペードのジャックの隣にくっ付ける。
そして、今くっ付けたハートのジャックとハートの2を指差す。
「ねっ、ハートの2とハートのジャックでマークが一致したから、また間が取れるの。
連続して取れた訳よね」
間の二枚、クラブの6とスペードのジャックを取り除く。
ハートのジャックをハートの2の隣に持ってくる。
そこまでで、列になっているカードは三枚になった。
ハートのクイーン、ハートの2、ハートのジャック、この三枚だ。
「こうやって、山のカードが無くなるまで続けるの。
そして山のカードが無くなったら、最後にこのハートのキングをくっ付ける」
そう言って、テーブルの隅に置いてあったハートのキングを、列の最後に置いた。
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