切ないだけでも
―恋をしました。
初めて人を好きになったんだ。
今までそんなに興味もなかったから。
だけど、不覚にも君の笑顔に、
優しい性格に、
穏やかに響く声音に、
胸が高鳴ってしまうのだ。
「宮坂ー、今日の委員会のことなんだけど…」
こんな業務連絡でさえ、すごくドキドキしてるなんてかなり重傷だ。
「おぅ、体育祭のスローガン決めだっけ?(ニコッ」
何でこの人は、いつも笑いかけながら、話すのだろう。
もっとドキドキしちゃうじゃんか!!
「そーだよ。だからクラスでアンケートとっとけ、って。」
気づかれないように、なるべくいつもどうりになるように、頑張って話す。
「どっちもめんどくせーな。ねっ、サボったりしたら…」
「だーめ!!宮坂、こないだもサボったんだから!!」
宮坂の言葉に大方予想がついたから、言い終わる前に言葉を挟む。
「だよなー。まぁちゃんとでるからさ、んな怖い顔すんなよ(苦笑」
はっ、とする。
そんな怖い顔してたかな…
「冗談だよw にしても、ホントに高宮は真面目でいいヤツだな(ニコッ」
「っ///」
また不意打ちの笑顔だ。
きっと顔、真っ赤だなぁ///
―ホントは宮坂に恋をしたって 絶対叶わないのくらいわかってるのに…
だって、宮坂には彼女がいる。
宮坂はノリ気じゃない、みたいな噂もあるけど、やっぱり彼女は彼女だし…
だから はやく諦めなくちゃ、と思うのに。
宮坂はそんなのお構い無しに優しいし、勘違いしそうなことを、平気で言ってくる。
今もそうだ。
「どーした?顔、赤いけど熱あんの?なんかめっちゃ可愛いけどw」
「バッカじゃないの///そーゆーのは彼女に言ったげなよ!!」
嬉しいはずなのに、認めたら想いが溢れてきっと宮坂を困らせるから。
素直じゃないアタシでも 嫌わないでくれるかな?
なんて我が儘だよね…?
「あー。ぶっちゃけアイツより高宮のが可愛いからな…」
「何言ってんの?真帆かわいそーw」
そんなこと言ったって、やっぱり宮坂は真帆の彼氏なんだから。
アタシの想いなんて、絶対、届かないよね…
でも 君がアタシに笑いかけてくれるから、君のこと、忘れたり 諦めたりは、当分できそうにないよ…
切ないだけでも、仕方ないよ。
だって、君が好きなんだもん。
― end ―\r
感想
- 39298: 姫宮 はるかさん☆初投稿ですよね?これから、 [2011-01-16]
- 39299: よろしくですっ。。友達になりましょう?:あやき [2011-01-16]