代償 13
「そんなとこまで揃えるんだな。」
一同を見下ろしながら篤史が口元を笑わせる。
「ていうかしつこいんだよ。あんたら。これ以上居座ったら警察呼びますけど?」
「篤史…」
杉本は修学旅行の集合写真を篤史に渡した。
「覚えてるだろ?修学旅行…篤史も笑顔で映ってるぞ。この笑顔、上辺だけには思えない…」
篤史は写真を手にとってしばらく見ていたが、やがて奥の部屋に向かった。
「どうしたんだろ…」
「…」
戻ってきた篤史の手には、写真とライター、灰皿が握られていた。
「篤史…何を…」
篤史は無言で、何の躊躇もなく、写真に火をつけた。
「下らねぇんだよ。よくこの状況でこんなもん見せてきたな。」
絶望の表情を浮かべる杉本達を見ながら篤史がつぶやいた。
「どうしても…来てくれないんだ…」
「そうだよ。何回言ったら分かるんだ?裏切り者。」
「裏切り者…」
「どんな状況でも仲良しアピールばっかしかできねーあんたらになんか付き合ってらんねーよ。」
「そんなつもりじゃ…」
「へー。また言い訳か。たいしたもんだな。」
篤史は恵梨を睨みつける。
「はっ。大勢でのこのこやってきて、ちょっとは反省してんのかと思ったら全然だな。言い訳やら自己満足の綺麗事やら…もうほんと目障りだから出てけよ。」
「…分かった。」
「先生!」
「これ以上は…篤史をもっと不快にさせるだけだ…」
杉本は涙を拭って篤史を見た。
「篤史…本当に申し訳なかった。卒業式に来てもらえないのは本当に残念だが…全て私達の自業自得だ…どうか私達のことは忘れて、これからも頑張ってほしい。」
篤史はそんな杉本に笑顔を見せ、言った。
「言われなくてもあんたらのことはさっさと忘れます。せいぜいこのクズ生徒どもと思い出に残る感動的な卒業式でもしてください。あんたには所詮こんなガキ共に育てる力しかなかったんですよ。」
「…すまない。」
篤史はそれっきり、一晃達には目もくれず、部屋に戻って行った。
「お邪魔しました…」
杉本達は篤史の母親に挨拶した。
「…」
母親も何も言わなかった。
杉本達は頭を下げ、篤史の家を後にした。
どうしようもない悲しみと後悔が、杉本達の心を包んでいた。
一同を見下ろしながら篤史が口元を笑わせる。
「ていうかしつこいんだよ。あんたら。これ以上居座ったら警察呼びますけど?」
「篤史…」
杉本は修学旅行の集合写真を篤史に渡した。
「覚えてるだろ?修学旅行…篤史も笑顔で映ってるぞ。この笑顔、上辺だけには思えない…」
篤史は写真を手にとってしばらく見ていたが、やがて奥の部屋に向かった。
「どうしたんだろ…」
「…」
戻ってきた篤史の手には、写真とライター、灰皿が握られていた。
「篤史…何を…」
篤史は無言で、何の躊躇もなく、写真に火をつけた。
「下らねぇんだよ。よくこの状況でこんなもん見せてきたな。」
絶望の表情を浮かべる杉本達を見ながら篤史がつぶやいた。
「どうしても…来てくれないんだ…」
「そうだよ。何回言ったら分かるんだ?裏切り者。」
「裏切り者…」
「どんな状況でも仲良しアピールばっかしかできねーあんたらになんか付き合ってらんねーよ。」
「そんなつもりじゃ…」
「へー。また言い訳か。たいしたもんだな。」
篤史は恵梨を睨みつける。
「はっ。大勢でのこのこやってきて、ちょっとは反省してんのかと思ったら全然だな。言い訳やら自己満足の綺麗事やら…もうほんと目障りだから出てけよ。」
「…分かった。」
「先生!」
「これ以上は…篤史をもっと不快にさせるだけだ…」
杉本は涙を拭って篤史を見た。
「篤史…本当に申し訳なかった。卒業式に来てもらえないのは本当に残念だが…全て私達の自業自得だ…どうか私達のことは忘れて、これからも頑張ってほしい。」
篤史はそんな杉本に笑顔を見せ、言った。
「言われなくてもあんたらのことはさっさと忘れます。せいぜいこのクズ生徒どもと思い出に残る感動的な卒業式でもしてください。あんたには所詮こんなガキ共に育てる力しかなかったんですよ。」
「…すまない。」
篤史はそれっきり、一晃達には目もくれず、部屋に戻って行った。
「お邪魔しました…」
杉本達は篤史の母親に挨拶した。
「…」
母親も何も言わなかった。
杉本達は頭を下げ、篤史の家を後にした。
どうしようもない悲しみと後悔が、杉本達の心を包んでいた。
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