The Last Escape 第三章『兄妹』 2
「…俺の親父と、その前の奥さんの娘なんだ」
聞きもしないのに、彼は話し始めた。
「腹違いの兄妹ってとこだな」
私は何も言わなかった。
・・・。
五分後。
「…相当、厳しいんだな、やっぱり」
「何が?」
「いや、おしゃべりなソフィアが、急に無口になったからさ」
「あなたこそ」
今日の彼は口数が多い。
「…不安だからさあ、喋ってないと気が紛れなくて」
私は耳を疑った。
「不安…?」
「俺ひとりだったら、きっとここまでは来られなかったと思う。」
私が思っていたそのままの事。…彼も不安なんだ。怯えてるんだ…
「そんな、私は何も…」
「ソフィアは優しいな」
どきっ、とした。
「…何でそんな、急に…」
「あの時、ソフィアが心配してくれなかったら、間違いなく俺は死んでた」
「そのくらい…」
「何の得にもならないのに、心から心配してくれてるのがわかった。…リーナの言う通り、俺は世の中金が全てだと思っている。…と言っても過言じゃない」
そう言えば、リーナはそんなことを言っていたような気がする。
「親父の影響だとは思うけどさぁ…
いつか、いっぱい稼いで、他より偉くなってやろうって、
野望があったから。
…軽蔑モノだよな…俺」
自嘲の言葉の羅列。確かに、間違いなく、彼は変わっていた。
「でも、そんな俺でも、心配してくれる人がいるんだって、知ったから。
まだ少しだけだけど、自信がついたよ」
「…うん。私も。」
「…シッ」
「こっちだ!!」
かなり大勢の、足音。
「全く、暇な奴らだ。…恐らく、インターネットの掲示板か何かで集まって来たんだろうな。
ご苦労なことで」
「…行くの?」
「生かしておけるか自信はないけど、
逃げられないからな」
聞きもしないのに、彼は話し始めた。
「腹違いの兄妹ってとこだな」
私は何も言わなかった。
・・・。
五分後。
「…相当、厳しいんだな、やっぱり」
「何が?」
「いや、おしゃべりなソフィアが、急に無口になったからさ」
「あなたこそ」
今日の彼は口数が多い。
「…不安だからさあ、喋ってないと気が紛れなくて」
私は耳を疑った。
「不安…?」
「俺ひとりだったら、きっとここまでは来られなかったと思う。」
私が思っていたそのままの事。…彼も不安なんだ。怯えてるんだ…
「そんな、私は何も…」
「ソフィアは優しいな」
どきっ、とした。
「…何でそんな、急に…」
「あの時、ソフィアが心配してくれなかったら、間違いなく俺は死んでた」
「そのくらい…」
「何の得にもならないのに、心から心配してくれてるのがわかった。…リーナの言う通り、俺は世の中金が全てだと思っている。…と言っても過言じゃない」
そう言えば、リーナはそんなことを言っていたような気がする。
「親父の影響だとは思うけどさぁ…
いつか、いっぱい稼いで、他より偉くなってやろうって、
野望があったから。
…軽蔑モノだよな…俺」
自嘲の言葉の羅列。確かに、間違いなく、彼は変わっていた。
「でも、そんな俺でも、心配してくれる人がいるんだって、知ったから。
まだ少しだけだけど、自信がついたよ」
「…うん。私も。」
「…シッ」
「こっちだ!!」
かなり大勢の、足音。
「全く、暇な奴らだ。…恐らく、インターネットの掲示板か何かで集まって来たんだろうな。
ご苦労なことで」
「…行くの?」
「生かしておけるか自信はないけど、
逃げられないからな」
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