がんばったで賞 5 〜私は普通じゃないんですか?〜
翌日、アキは、担任と二者面談のため、日曜日だったものの、学校に向かった。担任の柴山先生。手話が出来る女の先生だ。
「あ、アキさん。ここに座って。」
『失礼します。』
すると、柴山先生は、幾つかの書類を持ってきた。
見てみると、
『ろう学校について』
という書類。アキはうつむいてしまった。
「前、むいて。ちゃんと聞いてほしいんだ。」
『…。』
「ろう学校に、転向してみない?その方が、あなたにとっても、良い事がたくさんあると思う。普通の人が行く高校ではないけれど、あなたを支えてくれる学校よ。」
『先生…私は…。』
「何?」
『私は、普通じゃないんですか?』
柴山先生は、うつむいてしまった。
「あのね…アキさん…。」『うつむかないで下さい。私は…普通じゃないんですか!?』
アキは、先生を憎みたかったが、ダメだった。
ろう学校についての書類を机からはらい落とすぐらいしか出来なかった。
「アキさん…。」
『私、この学校に居ないほうが良いんですか?』
『私は、この学校のお荷物なんですか?』
いろいろ、先生を責めた。本当は、誰のせいでもない。
私の耳は、誰のせいでもない…。
分かっていた。でも、責めてしまう。
先生も、何か言ってたみたいだけど、
私は聞いていなかった。
「あ、アキさん。ここに座って。」
『失礼します。』
すると、柴山先生は、幾つかの書類を持ってきた。
見てみると、
『ろう学校について』
という書類。アキはうつむいてしまった。
「前、むいて。ちゃんと聞いてほしいんだ。」
『…。』
「ろう学校に、転向してみない?その方が、あなたにとっても、良い事がたくさんあると思う。普通の人が行く高校ではないけれど、あなたを支えてくれる学校よ。」
『先生…私は…。』
「何?」
『私は、普通じゃないんですか?』
柴山先生は、うつむいてしまった。
「あのね…アキさん…。」『うつむかないで下さい。私は…普通じゃないんですか!?』
アキは、先生を憎みたかったが、ダメだった。
ろう学校についての書類を机からはらい落とすぐらいしか出来なかった。
「アキさん…。」
『私、この学校に居ないほうが良いんですか?』
『私は、この学校のお荷物なんですか?』
いろいろ、先生を責めた。本当は、誰のせいでもない。
私の耳は、誰のせいでもない…。
分かっていた。でも、責めてしまう。
先生も、何か言ってたみたいだけど、
私は聞いていなかった。
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