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私の王子様

[327]  夏子  2010-08-02投稿
夏は好き。
だって、夏休みがあるんだもん。
それにっ!夏は花火大会があるの♪
やっぱり好きなKくんを誘うにはイベントよね。
だからって、夏コミはだめよ。コミケで告白なんかできないじゃん。
『ヲタ公の中心で愛を叫ぶ』なんてムリ。
私、オタクじゃないし。
てか、Kくんがコミケに来るわけないかw
もー、なに言ってんのw私wテラワロスww
ヲタと付き合うのとかむりぽww
と、とにかく、花火大会に誘う作戦で決まり!

ほら、花火って良くない?
二人の想いが盛り上がって『恋の花』になるって感じ?まあ、一人で盛り上がって『破裂』して散るとも言えるわけだけど。
いいのよ、ダメだって。名誉な負傷よ。
それより、買えると思って行ったコミケで、
目当てのものが買えない時の絶望ったらないわよ。
いや、私の体験じゃなくてね。あくまで例えだから。誤解の無いように。

今回は本気だし、ちゃんと行動に移そうと思うの。
いつもはカッコイイ!とかテキトーにほざいてただけ。まさに『恋に恋してる』ました。ちーん。
だから、早速、下駄箱に置き手紙してきたの。『お台場の花火大会一緒に行きませんか?』って。
そしたら返事が来たの。『ごめん、大事な用があるんだ。』って。

でも、待つことにした。
今まさにお台場で待っているの。ほら、もしかしたら用事が終わって来るかもしれないでしょ?

で、来ない。

花火終了。私の恋終了。

家路を歩く。

あーあ。鼻緒が切れる準備までしてたのに。
ばかみたい。


てか、Kくんとか好きじゃなかったし。
そうよ、これも遊び。失恋ゲームしただけ。『失恋妄想伝』とか執筆しようと思ってたの。

目から汗が出た。
だから上を向いて歩いた。
そしたら鼻水が溢れ出た。

新橋駅はごった返していた。
ぐちゃぐちゃにじんだ目で王子様をみつけた
Kくん


「わっ!なんだおまえ!行かないって言ったろ?」

私はすでにKくんに抱きついている
「なんだよ?きたねー顔!」
ガサッ
Kくんの手から紙袋が落ちた。
たくさんの同人誌
今日、コミケだったんだ。
「おい、クラスのみんなには言うなよな!」

私は笑顔で返事する。
「おK!Kタソ♪」
見つけた。私の王子様♪
わくてかな恋Ktkr

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