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・・Dark*Rain・・

[334]  十六夜  2006-08-31投稿

私は雨が好きだった。

数える事が出来ない
その雫をそっと
窓のカーテンを
手で押さえて
覗いて見る。


この街は雨が止まない。

ずっと・・ずっと・・

まるで誰かが
泣いている見たいに。


・・Dark*Rain・・

薄暗い中、私はカーテンを開けた。

今日も雨が降っている


ベットから身を起こしてキッチンに向かい
熱い珈琲をカップに注いだ。
カップを持ちベットに腰をかけると、ベットのきしむ音だけが部屋に響いた。カップを冷えた両手で包み込み、私はまた窓の外を見た。
コンコン

静かな世界に音が響き、私は身を震わした。私はカップをテーブルの上に置き、ベットから立ち上がり玄関へと足を進めた。

コンコン

「今開けます」

ドアノブに手をかけて、ゆっくりと回しドアを開けた。ドアの前には真っ青な傘をさした、金髪の青年が立っていた。

「おはよう水無月(ミナヅキ)」
「おはよう・・睦月(ムツキ)」

睦月は傘を畳み、家の中へ入った。ドアを閉め、滴が垂れる傘をドアの横に立掛けて、椅子に座った。

「水無月今起きたの??」
「ええ、意識はずっとあったのだけど、雨の音にずっと耳をすましていたの」
「水無月は本当に面白いな。雨なんて僕等が産まれるずっと前から降り続けているのに」

睦月は苦笑しながらカップに注がれた珈琲を飲んだ。水無月は黙って窓の外で降り続ける雨を見つめた。

「・・いつまでも続くとは限らない」
「えっ!!??」
「今まで降っていたからと言って、明日も降っているとは限らない」

水無月は窓から視線を外し、悲しそうに少し眉をひそめ、カップを手に取り珈琲を飲んだ。

「二十四気達が何か言ってたのか??」
「うん。小暑(せうしょ)と大暑(たいしょ)が言ってた」
「・・何て??」

水無月はカップをテーブルに置き、睦月の目を真っ直ぐに見た。


「・・「もうすぐ涙が枯れる」って」


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