穴と蛇
道の両脇に背の高い真っ直ぐな草が生えている。どこまでも果てしなく続く道だ。
そんな道を私は前を見てただひたすら歩いている。
ふと背後に不穏な気配を感じた。私は恐怖を感じ自然と足早になる。
それと同時に背後の気配も速度を上げ迫ってくる。歩きがはや歩きになり、小走りになり、最後には全力疾走になった。
それでも背後の気配は消えない。ひたひたと私に迫ってくる。
たまらず私は振り向く。するとそこには真っ黒な影が見えた。真っ黒な影が私の後をつけているのである。
私は再び前を向き全力で走る。道の両脇の草がざわざわと音をたてる。
その音は私の恐怖心をさらに掻き立てた。
恐怖から逃げたい一心でただただ走る。自然と息はきれなかった。体も悲鳴をあげなかった。
しばらく走り続けていると崖に行き着いた。その崖には深い横穴がぽっかりと空いていた。
私は速度を緩めずその横穴に駆け込んだ。
ラストスパートだ、と私は思った。
横穴のなかは真っ暗だった。入り口付近ですら光がまったく入り込まないのである。
まるでその横穴は光と闇の境界であるかのようだった。
この闇の中では私を追いかけてきた影は溶け込んでしまうだろう、と私は思った。
横穴の奥から何かが地面を這いずる音が聞こえてきた。
その音の主は真っ赤に発光する大蛇だった。
私は声を上げ急いで横穴から出ようとしたが、次の瞬間大蛇は火を吹き私を黒焦げにした。
私が炭になるまで蛇は火を吹き続けた。意識はまだある。
しかし、その意識は私の体と同様消し炭になって散り散りになった。
そんな道を私は前を見てただひたすら歩いている。
ふと背後に不穏な気配を感じた。私は恐怖を感じ自然と足早になる。
それと同時に背後の気配も速度を上げ迫ってくる。歩きがはや歩きになり、小走りになり、最後には全力疾走になった。
それでも背後の気配は消えない。ひたひたと私に迫ってくる。
たまらず私は振り向く。するとそこには真っ黒な影が見えた。真っ黒な影が私の後をつけているのである。
私は再び前を向き全力で走る。道の両脇の草がざわざわと音をたてる。
その音は私の恐怖心をさらに掻き立てた。
恐怖から逃げたい一心でただただ走る。自然と息はきれなかった。体も悲鳴をあげなかった。
しばらく走り続けていると崖に行き着いた。その崖には深い横穴がぽっかりと空いていた。
私は速度を緩めずその横穴に駆け込んだ。
ラストスパートだ、と私は思った。
横穴のなかは真っ暗だった。入り口付近ですら光がまったく入り込まないのである。
まるでその横穴は光と闇の境界であるかのようだった。
この闇の中では私を追いかけてきた影は溶け込んでしまうだろう、と私は思った。
横穴の奥から何かが地面を這いずる音が聞こえてきた。
その音の主は真っ赤に発光する大蛇だった。
私は声を上げ急いで横穴から出ようとしたが、次の瞬間大蛇は火を吹き私を黒焦げにした。
私が炭になるまで蛇は火を吹き続けた。意識はまだある。
しかし、その意識は私の体と同様消し炭になって散り散りになった。
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