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がんばったで賞 32 〜私もカズヒロが好き〜

[379]  るー6  2010-08-15投稿
「もしもしヒロ?」
『…どうした?』
「警察に電話したよね?」『う…うん。』
「分かった。じゃあ。」
サユは強引に電話を切った。
サユには、ある策があった。
…公園に戻ったサユは、もう隠れなかった。
カズヒロはアキを抱きしめ、必死に守っている所だった。
2人は殴られ、蹴られで傷だらけだった。
サユは、大声をあげた。
「私、警察呼んだけど!」「えっ…ヤベェ、逃げろ!」
アズサ達は駅の方へ逃げ出した。
その隙にサユは、再び警察に電話。
「駅の方に逃げました。」これで、カズヒロ達に疑いはかからないし、公園にパトカーは来ないし、一石二鳥の策だ。
カズヒロは何とか立ち、アキをおんぶして、
「サユ…ありがとう…。」「いいの。私に出来る事を、必死に考えただけ…。」「とりあえず、アキを病院に送るよ。」
「私、送ろうか?バイクで。」
「大丈夫。病院そこだし。」
カズヒロは、足を引きずりながら、サユから離れていった。
サユは、カズヒロ達がいなくなった後、その場に崩れ落ちた。
「見てられなかった…。」サユの目から零れる涙。
「私の好きな人が…彼女を守るために頑張っている姿、見たくなかった…。」
するとそこに、ヒロがやってきた。
「…サユちゃん?」
「ヒロくん。」
「どうしたの?泣いてるじゃん。」
サユは首を横に振り、
「ごめん。疲れたから帰るね。」
と言ってヒロから離れていった。
「うん。ゆっくり休んで。」

誰にも言えない…。


私がカズヒロの事好きだなんて…。


口が裂けても言えない…。

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