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僕と同じ髪の色 〈昔〉

[292]  快雅  2006-08-31投稿
 すべて話し終わると彼女は、苦笑いを浮かべて、悲しそうに「今までありがとう、さようなら」そう言って彼女は去っていった。
 僕は彼女がいなくなって、胸は痛いし、目頭は熱くなっていて、そうなって初めて、あぁ、もう彼女にはあっちゃいけないのか、なんて実感がわいてきて、涙をこらえるために上を向いた。
「・・・空に、穴あいてるみたいだな・・・・」
 こらえきれなくなって涙は頬をつたって地面に落ちた。空は悔しいくらいに青くて、広かった。
 別れるってこんなに悲しいのかって、そう思うと楽しかった時間が多すぎて今も彼女が僕の前で笑っているのではないかという錯覚を覚えた。

「ジュンヤ、元気ないな最近・・・」
「いや、別に」
 ナナクは良く僕を心配してくれたが、慰めにはならなかった。
「純弥、ボスがお呼びだぜ。」
 先輩は向こうから走ってきてそう言った。そしてまた走り去っていった。
 僕は父さんの部屋に行った。中へはいると机に座っていた、行儀が悪すぎる。
「来たか、今日もまた頼みたいことがあってお前を呼んだ。」
「前置きはいいよ。で、何?」
 父さんは咳払いをしてこういった。
「アルトン家の者を抹殺しろ、報酬は五十万。」
 この任務がイタリアで引き受けた最後の任務だった。

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