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エイジェルとデイヴェル 〜春〜

[462]  Eight Two Seven  2010-08-21投稿
ねえ、デイヴェル。君はまだ、あのこと覚えてる?

───それは、二年前の出来事でした。

ある晴れた春の日、サクラっていう綺麗な花が咲く木の下で、君と私は初めて出会ったんだよね。

「オマエ、俺が見えるのか…?」

目があった瞬間、真っ黒な服を着てカラスの色をした翼を生やした君は、真っ白な服を着てスワンの色をした翼を生やした私に言ったの。

「うん。…あなたも、私が見えるの?」

聞き返すと、君はなんにも言わないで、首を縦に振ったっけ。

「俺が見えるってことは、オマエ人間じゃねえな?ってか、人間に羽根は生えてねえし。」

「それじゃ、あなたも人間じゃないわねっ。私が見えてるんですもの。」

そう、私も君も、人間なんかじゃなかった。

私は天使で、君は悪魔。
お互いに違う世界で暮らす者同士。

だから、私は今、こんなに悲しいの。

「ねえ、あなた名前はなんていうの?」

すると、君は顔を少し赤くして言った。

「…デイヴェル。」

「悪魔(Devil)だから?それじゃ私も似たようなものだわ♪私、エイジェルっていうの。」

「ふん、天使(Angel)か。」

それから、私達は会うようになったの。

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