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遠くても…-11-

[257]  深谷恵梨香  2010-09-06投稿
エリカはバイトをやめられなかった…
どうしても幸村さんとの接点をなくすことができなかった。

「エリカちゃん、俺と付 気合って。」
突然だった。
「ずっと好きだった。
店長好きなのも気づい てた。でも店長には彼 女がいるし。」
わけがわからなかった。塚本さんにいきなり告白された驚き。
他人に幸村さんの彼女の存在をつきつけられた悔しさ。
いろんな感情がわいてわけがわからなくなった。「店長はもうやめときな よ。店長、女関係でよ くない噂あるし…」
イラっ…
「なんでそんなこと塚本 さんに言われなきゃい けないの!!
ほっといて。エリカが 誰のこと好きでいよう がエリカの勝手でしょ !?
幸村さんのこと悪く言 わないで!!」
人生でこれほどまでにヒトに腹をたてたことがあっただろうか。
「エリカちゃんは何も知 らないから…
店長は最初エリカちゃ のことかわいいって言 ってたんだ。自分はエ リカちゃんに嫌われて るって悩んでたくせに あいつはすぐ違う女に 手だして…」
「やめて!!
これ以上幸村さんのこ と悪く言ったら塚本さ んのこと嫌いになる。」

逃げ出した。今にも泣きそうだったから。

幸村さんがエリカのことかわいいって言っていた?
幸村さんがエリカのことで悩んでいた?
知らなかった…

もし、あの時素直に笑いかけていたら…
もし、あの時もう少し長い時間幸村さんのそばにいたら…
もし、想いを伝えていたら…
後悔ばかりがエリカを襲った。

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