バスターズ!・第57話 「初回出撃」
ダダッ!
龍一は医務室のドアに走った。
シュン
「龍一君!ちょっと待って!あなたはまだ・・・!」
シュン
彩実が引き止めた時には、すでに遅かった。引き止めようと突き出した手だけが、虚しく空を掴むだけであった。
============ホーム・通路
真っ白な通路の中、風の如く疾走する龍一が、そこにはいた。
(動かしてみて解った!この体は・・・もはや俺のもんじゃない!!筋肉が・・・間接が・・・体の全てが生まれ変わってやがる・・・!!)
「うおおおおおおっ!!」
ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!
角を直角に曲がりながら、龍一はさらにスピードを上げた。
そしてうろ覚えの通路を抜け、龍一はあっと言う間に『跳躍室』にたどり着いた。
シュン
遅い自動ドアが開く。
開けた部屋の中には、咲坂がサングラスを掛け、バイクに股がっていた。
すでにエンジンが唸りを上げている。
「なぜお前がここにいる。」
咲坂は、いたって冷静な声で言った。
「つれてけ!!」
龍一はバイクの後ろに飛び乗った。
「降りろ。」
「いやだ・・・ぜってぇに降りねぇ!!」
勝手にベルトで体を固定する。
「降りろと・・・言っている!!」
咲坂は語気を強めた。
「俺はあいつらを殺さなきゃならないんだ!!アキラの仇を・・・とらなきゃいけないんだ!!」
咲坂の言葉など、龍一は全く聞いてはいなかった。
「お前・・・」
咲坂はあきらめ、前を向き、ハンドルを握った。
「後の処罰を覚悟しろ。」刺された釘にも、龍一は動じなかった。
「カタパルト跳躍!GO!!」
ガシャンッ!
カーーー−−−−−−!!
ロックが外れる音と供に、バイクは一気に超加速した。
バヒュウンッ!!!
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