君と見た空*7の3
でも返事って、なんて返せばいい?
私は天井を見ながら必死になって考えた。
*
私は目を覚ました。
そしてぼーっとしながらもカーテンを開ける。
昨日の雨が嘘みたいに、雲1つない快晴だった。
時計を見てみると、もう昼。
私は何かをするわけでもなく、その場からしばらく空を見ていた。
空を見ていると、昨日のアオトの言葉が蘇る。
あれから考えてみたけど、答えが見つからない。
今までアオトのことは友達としか思ってなかった。
いきなり現れて、いつの間にかいなくなる。
そんなちょっと不思議な友達。
アオトのこと、好きって思ってないのかもしれない。
ようやく頭がすっきりしてきたとき、携帯に着信があった。
着信相手はお母さんだった。
「お母さん、どーしたの?」
「リク、久しぶりね。元気?」
「うん。元気だよ」
お母さんの声を聞いたのは半年久しぶりだった。
「突然なんだけど、これからこっちに来れる?」
「これから? 別にいいけど、何で?」
「わけは後で話すから」
「……分かった」
まさか、お父さんが倒れたとか?
それにしては落ち着きすぎてるよね。
私は急いで準備を始めた。
*
実家に行くのは半年ぶり。
お父さんとお母さん、元気かな。
それにしても、何でお母さんは私を呼んだんだろう。
家についたら聞いてみよ。
バスから降りてしばらく歩くと見慣れた住宅街に着く。
私の家は、この住宅街にある緩い上り坂をのぼったところにある。
坂をのぼって家の前を見ると、お母さんが玄関先に出て辺りをキョロキョロしてた。
「お母さん」
私が呼びかけると、お母さんはこっちを向いて笑いかけた。
「遅かったわね」
「そう? あ、お父さんは?」
「今日は休日出勤らしいのよね」
「そっか」
お父さんにも会いたかったけど、仕事ならしょうがないよね。
帰ってくるの遅いだろうし、今日は会えないかな。
「ねえ。何で今日私を呼んだの?」
「……ちょっとね。着いてきなさい」
そう言ってお母さんは私に背を向けて歩き出した。
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